iPhone/iPadからWindowsパソコンにJPEG画像で送りたい
iPhone/iPadからWindowsにMP4動画で送りたい
こんな不満を抱えながら、iPhoneとWindowsを使っている筆者のようなユーザーは多いですよね。
この記事では、このような不満を解消する方法をご紹介します。
iPhone/iPad → Windowsパソコンのデータ転送問題
iPhone/iPadからWidowsパソコンへデータ転送しようとした場合に起こる問題のうち、特に影響が大きい2つの問題を最初に紹介します。
問題1. 写真を転送するのが大変
フォーマット問題
iPhone/iPadで写真を撮影した場合、通常はHEIFフォーマットで保存されます。
High Efficiency Image File Format (ハイ・エフィシエンシー・イメージ・ファイル・フォーマット、略称:HEIF、ヒーフ) は、Moving Picture Experts Group (MPEG) によって開発され、 MPEG-H Part 12 (ISO/IEC 23008-12) で定義された画像ファイルフォーマットである。
High Efficiency Image File Format - Wikipedia
JPEGよりもファイルサイズが小さい反面、そのままではSNSや画像処理ソフトなどで扱うことができなくて困ります。
もちろんiPhone/iPad上で動くアプリは何らかの処理でHEIF画像を扱えるわけですが、Windowsパソコンにエクスプローラを使ってコピーすると同じようには扱えません。

次のコーデックをインストールして、「HEIF」をWindowsパソコン自体で使えるようにする方法はあります。上の画像の通り、我が家のパソコンはその状態です。
しかし、閲覧できるようになったとしても、結局どこかでJPEGなどの汎用的な形式に変換する必要が出るので不便なのです。
また、Live Photoは動画ファイル(MOV形式)として保存されています。
これもまた画像データで欲しいのに、動画編集なんかしたくない!と不便に感じます。かといって、iPhoneの写真アプリでちまちま編集するのも…と悩ましいところ。
そのため、Windowsパソコンに取り込む段階で扱いやすいJPEG形式に変換したいと考えるわけです。
転送操作がめんどくさい問題
必要な写真だけ転送したい!と当たり前のように思うわけなんですが、これはこれでけっこう大変な作業になります。
例えば「2020年の写真だけをまとめてWindowsパソコンに保存したい」という場合を想定するとします。これはiCloudに保管するデータを減らす場合なんかによくやる手ですね。
そう考えたら、まずは「iTunesで写真を転送しよう」と思うわけです。しかし、実際にやってみるとこうなってしまいます。

つまり、iCloudを使っているとiTunesからはiPad/iPhoneの画像データにアクセスできないのです。
仕方がないので、表示に従ってiCloud経由で画像データを転送しようとしてみます。すると…」

一見すると、このまま画像を選択してダウンロードしてしまえば何も問題がないような気はします。
しかし、次のような問題が発生するため、そんなに簡単ではありません。
- まとめて沢山のデータをダウンロードしようとすると、インターネット経由になるので転送に時間がかかる(モバイル回線ならデータ使用量を大量消費する)
- まとめてデータ転送しようとするとZIP圧縮されてしまうので、使い勝手が悪い。
- 検索性が悪いため、目的の写真まで辿りつくのに時間がかかる。
- フィルタリングやソートの機能が弱い。1年分の写真といった選択はできない。
- iCloud for windowsは動作が遅すぎて実用的ではない。 など
それならば再びUSBケーブルでパソコンに接続して、エクスプローラで転送しようと考えるわけです。そうすると…

このように変なナンバリングのフォルダが表示され、どこにどれがあるのやら…と途方に暮れるわけです。
正直、この中から2020年の写真をまとめて選択して転送…なんてもう無理です。
つまり、iPhone/iPadからWindowsパソコンへ必要なデータを選択するのは大変、そして必要なデータを転送するのも大変なのです。
ちなみに、パソコンからiPhone/iPadへのデータ転送でも似たような問題が発生します。
問題2. MP4動画を転送できない
問題は画像データだけではありません。動画データの転送にも問題はあります。
iPhone/iPadで撮影した動画は、伝統的なMOV形式で保存されます。
MOV形式とは、アップル(Apple)社のマルチメディア技術QuickTimeの一部として規定された、動画や音声などのデータを格納するためのファイル形式(コンテナフォーマット)の一つ。標準のファイル拡張子は「.mov」あるいは「.qt」。
MOV形式(.movファイル)とは - IT用語辞典 e-Words
こちらは先程のHEIFよりは汎用的な形式ではあるものの、WindowsではMP4形式(特にMPEG4/H.264)の方が扱い易いことが多いです。
しかし、通常はエクスプローラでアクセスすると、MOV形式のファイルが保管されています。

もちろんMOV形式でも、最近の動画系アプリケーションはだいたい扱えるので悪くはありません。
しかし、WindowsではMP4の方が取り扱いやすい場面が多いので、可能であればMP4へ変換して転送したいものです。
そう考えた場合、画像データのようにiCloudを経由するか、サードパーティーのソフトウェアで変換する必要が出てきます。
これは利便性が下がってしまって、不便を感じます。
1ファイルなら我慢できますが、何十何百ものファイル、毎週毎日 実行することを考えると馬鹿にできない作業ですからね。
その他にもたくさん問題がある
これ以外にも、iPhone/iPadとWindowsパソコンの間での転送には、たくさんの問題があります。
- iTunesやエクスプローラでiPhone/iPadと接続した場合、USBケーブルでの接続が不安定で大容量データが上手く転送できないことがある
- iPhone/iPadにWindowsパソコンよりUSBメモリなどを経由した方が確実だけど、面倒くさい など
ライトユーザーの場合は、おそらく感じない問題ばかりです。
しかし、YouTuber/Vlogger、スマホフォトグラファーはもちろん、ちょっと凝った写真/動画を扱いたいヘビーなホビーユーザーにとって致命的な問題になっています。
iPhone/iPadからWindowsパソコンへ自由にデータ転送する方法
ここまでにご紹介した問題を解決するには、次のソフトウェアが便利です。
iPhone/iPad 統合管理ソフトウェア AnyTransとは
AnyTransは、iPhone/iPadとパソコンでのデータ転送を便利にする総合管理ソフトウェアです。
iTunesやエクスプローラだけでは実現できないスマートフォン管理機能を備えた、原理なWindowsアプリケーションです。
本ソフトウェアは、本記事で紹介した以外にも次のOSで動作します。
- Windows 10, 8, 7, Vista (32bit & 64bit の両方)
- macOS Big Sur(OS X Mountain Lion 以降)
- iOS 14(iOS 5以降)
- Android 5.0以降
AnyTransの主な機能
このスマートフォン統合管理ソフトウェア「AnyTrans」は次の機能を備えています。
- iPhoneのデータバックアップ(フルバックアップ/増分バックアップ)
- iCloudデータ管理(アップロード/ダウンロードほか)
- iPhone内データの転送
- スマートフォン間でのデータ移行(AndroidからiOSへの引っ越し)
- 複数iOSデバイス間でのデータ同期/統合
- YouTubeなどオンライン動画共有サービスからの動画ダウンロード・変換
- iOSアプリ管理
- iPhoneのホーム画面をパソコンから整理できる
- LINE/WhatsApp/Viberのトーク履歴のバックアップと復元
- iPhoneホーム画面をパソコン画面へミラーリング
これらの機能は、iPhone/iPadと接続したパソコンから利用することができます。
このソフトウェアは別の記事でも紹介しているので、そちらもご覧ください。
これらAnyTransの様々な機能の中でも、筆者はiPhone / iPadデータのデータ転送機能が最も役立つ機能だと確信しています。
実際にAnyTransを使ってデータ転送問題がどう改善できるか、筆者の活用方法をご紹介します。
AnyTransで好きな画像形式で転送できる
AnyTrans で最も便利なのは、ファイル転送時のフォーマット変換機能です。
これまで紹介した問題のように、iPhone/iPadからWindowsパソコンに転送する場合には、欲しい形式で転送されて欲しいものです。
この課題は、AnyTransによって次のように解決することができます。
まず、AnyTransの写真データを表示する画面から「PCへ」ボタンをクリックします。

ここでデータ転送時の変換内容(書き出し)を設定することができます。


この設定ダイアログから分かるように、各画像データや動画データに合わせて、それぞれの変換内容を一括で設定することができます。
ここで設定した後は転送を実行するだけです。
転送の進捗表示はほのぼのした画面ですが、分かり易いですね。

転送するファイルの数にも依存しますが、あっという間に転送が完了します。

なお、それぞれの画像データや動画データに対して、設定できる変換設定は次の通りです。



設定箇所 | 設定値 | 実行内容 |
---|---|---|
写真 HEIC写真 Live Photos | 元のフォーマット で保存 | iPhone/iPadに保存された形式で PCに保存します。 |
写真 HEIC写真 | PDFとして保存 | iPhone/iPadに保存された画像を 1枚ずつPDF形式の1ファイルで PCに保存します。 |
HEIC写真 Live Photos | JPGとして保存 JPG形式で出力する | iPhone/iPadに保存された画像を JPG形式でPCに保存します。 |
Live Photos | MP4に変換する | iPhone/iPadに保存された Live PhotosをMP4動画として PCに保存します。 |
Live Photos | M4Vに変換する | iPhone/iPadに保存された Live PhotosをM4V動画として PCに保存します。 |
Live Photos | Live Photosを GIFフォーマット に変換 | iPhone/iPadに保存された Live Photosを1枚ずつGIF形式 の1ファイルでPCに保存します。 アニメーショGIFではありません。 |
正直なところ、画像を1枚1枚PDFにしたり、アニメーションGIFじゃないGIF形式なんて利用するケースはほぼ無いよね、と思ったりはします。メニュー内の日本語表現が揃っていないのも気になります。
しかし、画像データをJPEG形式、動画データをMP4形式に一括変換してくれるだけで十分な使用理由になります。
たったこれだけの変換処理ですが、数百枚数千枚となると劇的な時間短縮につながります。
なぜなら、作業手順はわずかに2ステップです。
- 書き出したい画像データと動画データを選択する
- 変換設定をしてからデータ転送を実行する
これで転送処理中にそれぞれ変換まで行ってくれるわけですから、作業工程はかなりシンプルになりますよね。

この図のように、時間がかかる画像データと動画データの変換作業が省略できる、それだけで作業時間を大幅に短縮できますからね。
なお、HEIC画像のJPEG変換にコーデック導入は不要です。
もちろん画像や動画の劣化もありませんし、必要があれば元の形式のまま転送することができます。
このように、筆者のような大量の画像や動画を扱うユーザーには、AnyTransの転送と変換の一括実行は大きなメリットになるわけです。
転送したいデータを選択しやすい
AnyTransのフィルタリングやソートの機能は、特別に優れているというわけではありません。
しかし、iTunes/iCloudの機能がショボいだけに、普通に使えるだけで十分助かります。
例えば、iPhone/iPadに保存されたデータをサムネイル表示だけでなく、リスト表示できます。

単純なリスト表示ですが、上部のフィールド名をクリックするだけで昇順/降順のソートを実行できます。
また、上部にある「すべての写真」「撮影地」「ピープル」「カメラムービー」などの選択肢でフィルタリングすることも可能です。

このフィルタリングは、良くも悪くもiPhone/iPadの写真アプリと大差ありません。
しかし、これらのソートとフィルタリングを組み合わせて使えば、かなり便利にデータを取り扱うことができます。
- 写真整理のために、2020年に撮影した動画だけ選択・転送する
- 子供の1歳記念アルバムを作るために、2019年の子供の写真だけを選択・転送する
- ある旅行先で撮影した写真だけを選択・転送する など
いずれもよくある利用場面ですが、これをiCloudやiPhone/iPadの写真アプリで実行しようとすると大変めんどくさい作業になります。
しかし、AnyTransならアッサリ実行できます。
単純で地味ですが、時間のかかるデータ選択がサクッと実行できるのは時間短縮できて、ストレスも減って助かりますね。
画像データや動画データ以外にも色々と転送できる
あまり使う場面は多くありませんが、AnyTransを使うと色んなデータを簡単に転送できます。
その中でもいくつか便利に使えたものを紹介します。
カレンダーのデータ転送

カレンダーのデータを整理したい場合に、必要な形式に変換して転送してから削除する、といった使い方が簡単にできます。
アドレス帳のデータ転送
アドレス帳のデータも同様に選択して、個別に転送することができます。

こちらはアドレス帳の整理というよりは、誰かにアドレス情報を渡したかったり、Windowsや他のアドレス帳サービスに転送したい場合なんかに使えますね。
筆者は Googleアカウントのアドレス帳と同期させるために活用しましたね。
ブックのデータ転送
個人的に便利だなと感じたのは、電子書籍(PDF)をブックアプリに簡単に転送できる機能でしょうか。

もちろんiTunesや他でも実行できるとは思いますが、その辺のPDFをポンとドラッグ&ドロップするだけでブックアプリで読めるようになるのは手軽だな、と感じます。
iCloudとのデータ転送
こちらも頻繁に使うことはありませんが、iCloudから直接データを転送することもできます。

この機能を活用すればiCloudに保存するデータを削減するために、AnyTransで一括ダウンロードしてから削除するという方法がとれますね。
つまり、これでデータ整理時間とiCloud費用を削減することが簡単になりますよね。
これだけでもAnyTransの購入費と同額以上のiCloud費用を削減できる人が居るかも知れません。(筆者は削減できましたが)
iPhone/iPadの操作画面も転送できる
最新のAnyTransでは、画面ミラーリング(画面転送)ができるようになっています。

こちらは iPhone/iPad の AirPlay機能を使って、操作画面をWindowsパソコン内にウインドウ表示できます。

画面の右上にある通り、画面録画やスクリーンショット撮影もできるため、操作をなんらか撮影するにはもってこいの機能になりますね。
また、カメラアプリを使えば、次のような撮影も可能です。

これをOBS Studioなんかと組み合わせれば、カメラデバイス代わりに使った生配信などにも活用できますね。
なお、iPhone標準のカメラアプリだと操作メニューなどが表示されてしまうので、こちらのアプリと組み合わせると無駄な表示を消して撮影することができますね。

iPadも同じように取り扱える
このAnyTransは、主にiPhone/iPad向けをうたっているだけあって、iPadでも全く同じように全機能を使うことができます。

違うのはUSB Type-CケーブルでWindowsパソコンと接続する必要があるくらいでしょうか。
ただ、これもUSB Type-c規格の恩恵なのか、若干転送が早い気がしました。
この辺はお使いの環境に依存するので一概には言えませんが、iPhoneからiPad、あるいはiPadからiPhoneへ通常は同期できないデータを転送したい場合、非常に便利ですね。
ちなみに、先に紹介した画面ミラーリングも問題なく動作しました。
ただし難点もある
AnyTransは非常に便利なソフトウェアですが、次の難点があります。
- 画像形式をJPEG以外の汎用形式に変換できない(PNG/Webp/SVGは欲しい)
- 動画形式をMP4以外に変換ができない(一部はM4V対応ありだが、今後はH.265が欲しい)
- フィルタリングの機能が弱い(時期や期間などのバリエーションが欲しい)
- iCloudデータをシェイプアップする機能は無い(より手間がかからない仕組みが欲しい)
- 操作を定型実行する機能がない(接続したらワンクリックで決まった操作をしてくれる機能が欲しい) など
いずれも使用頻度が高い人には、喉から手が出るほど欲しい機能です。
これらが実装されるのであれば十分元が取れるでしょうから、ソフトウェアに費用がかかっても惜しくない人は多いはずですよね。
iPhone/iPadの画像/動画をパソコンで扱うならAnyTransを使うべし
AnyTransは、次の機能要望を持つiPhone/iPadヘビーユーザー向けのソフトウェアなのは間違いありません。
- iTunesやiCloudによる管理に不満がある
- 大容量/大量のデータをWindowsパソコンへ少しでも手間を減らして転送したい
- 画像や動画に関する転送前後の作業をなくしてWindowsパソコンで扱いたい
データ転送だけと思いがちですが、様々な変換作業や対象選択の作業時間を考えるとけっこう馬鹿にできません。
つまり、馬鹿にならないほどデータ転送にコストや手間がかかっているユーザーはAnyTransを使うべきですね。
これはiPhoneユーザーの中でも、次のような方が該当するはずです。
- 高画質な動画を転送したいYouTuber / TikToker
- 撮影した写真を頻繁に転送したいスマホ写真家(プロ/アマ問わず)
- iCloudに費用を削減したいと考えて、定期的にデータをパソコンに移したいユーザー など
ちなみに、筆者の場合はいずれのケースにも該当するため、AnyTransの便利な機能の恩恵を十分に受けられています。
興味がある方は体験版もあるので、下記からダウンロードして実際に試してみると良いです。
また、下記の公式サイトから直接購入できます。
iMobieのAnyTrans公式サイトでは、期間限定の割引があるようです。
- 1ライセンス 4,980円(年間プラン) → 4,378円(税込) ※1,000円OFF
- 1ライセンス 7,980円(永久版)→ 6,578円(税込) ※2,000円OFF
- マルチライセンス9,980円(永久版) → 7,678円(税込) ※3,000円
この記事を読んだiPhone/iPadユーザーが、悩みを一つでも解決できれば幸いです。
最後まで読んでいただいて、誠にありがとうございました。