ここ数ヶ月、DeepRacer にハマっていました。
機械学習の勉強とソーシャルゲームの要素を合わせたような仕組みが、匠にはかなりツボ。
機械学習シロウトでしたが、とにかく楽しくてハマッてました。
しかし、この記事のタイトルの通りに感じたので記事にしました。
この記事で匠のように同じ過ちを繰り返す人が、1人でも増えることを願っています。
AWS DeepRacer 自体は楽しい良い教材
AWS DeepRacerってなに?
バーチャルでのレースリーグ、かつ流行りの機械学習、かつ様々なロジックが絡むという技術者垂涎の仕組みになっています。
端的に言えば、機械学習ラジコンカーのソーシャルゲームです。
詳しくはこちら。
https://github.com/aws-samples/aws-deepracer-workshops/blob/master/Workshops/2019-AWSSummits-AWSDeepRacerService/Lab1/Readme-Japanese.md
AWS DeepRacer にハマると
匠もこっそりハマってました。完全に中毒でした。
1回あたり総額$3くらいかかります。
となると一ヶ月に回しで数百回。。。もう計算したくありません(汗
こんな感じですごく面白いですが、すごく高額な遊びなのは事実です。
ただ、このお陰で機械学習、特に強化学習について沢山のことを学ぶことができました。
ここまでは、まだ良い話。
AWS DeepRacer リーグは最悪
AWS DeepRacer リーグってなに
DeepRacerには、AWS主催の公式リーグがありまして、記事執筆の間は開催されていました。
記事の本題ではないので省略しますが、その中で実機レースとして下記が開催されました。
これの参加者の目当てはこちらです。スゴく皆が期待していました。
re:Invent 賞
表彰対象:
①各 Summit サーキットの1位
②全 Summit サーキットを通じて所定の方法で評価された「ポイントゲッター」上位 3 名(①②合計 24 名)
賞の内容:
re:Invent 2019 (米国ラスベガスにて開催)への参加のご招待 / および re:Invent 2019 内で開催される AWS DeepRacer ノックアウト・ラウンドへの参加権
AWS DeepRacer 賞
表彰対象:各 Summitサーキット 1-10位
賞の内容:AWS DeepRacer (Car) の贈呈
つまり、高額商品ありの賞レースです。ガチ勢は勢いづくわけです。
匠も自信作のモデルをもって参戦しましたよ。こっそり。
はじまるまでは、そりゃワクワクしてましたよ。コース横で。
こんなの見ながら、自分が作ったモデルがどう走るのかイメージトレーニングしてました。
結果ですが。
・・・
・・・
・・・
1回も完走できず、ランクにさえ載りませんでした。。。
条件はほとんど皆同じなのでまだ良いのです。仕方ないと思ってました。しかし。。。
AWS DeepRacer リーグ 東京が最悪だった話
これまでの話を踏まえて、こちらを見てください。
気づきました?
このランキングの違和感、わかりますか?
1社がTOP3を占め、TOP12なら6人(50%)を占めるわけです。
この一番の原因は、DeepRacer実機とシミュレータでの動作がまったく異なるからです。
シミュレータで学習させればさせるほど失敗する!という最悪の結果です。
しかも、それは実機で動かせなければ何が良いのか、まったく分からないわけです。
そして、TOP10は、日本で手に入らなかったはずの DeepRacer 実機を保有しているわけです。
つまり、re:Invent 2018 に参加してワークショップでゲットすることが前提条件だったわけです。
個人では、ホントに無理ゲー。
八百長ではないが、フェアではない
世界レコードだなんだとかいってますが、そりゃシラけますよ。
いやいや、AIに対する技量とか、全然関係ないから。
DeepRacer実機は初心者じゃないから。
スゴいアドバンテージだったんだから!
だって、特定の人達だけが正確に事前準備しまくってたんですから。
しかも組織力フル活用しまくって、ランキング独占て。
大企業が組織参戦して上位を占めるソシャゲなんて、これから誰がやるの?
面白いか、それ。
こんなの大企業資本があってこそ参戦する意味があるってのを思い知らされましたよ。
個人で出走して絶望ですよ。
ちなみに、この話の背景には、こういうセッションがあるわけです。
https://aws.summitregist.jp/public/session/view/259
DeepRacer による人材育成としての事例と考えると素晴らしいです。
それは間違いありません。
ただし、AWS Summit Tokyo における DeepRacer League における立ち位置を考えると話が違います。
これ、完全にみんなで準備してきましたー、って話です。
自分たち大企業だけができるスゴい投資をして、それで上位独占してスゴいでしょー!ってわけです。
もうやってられませんよね!なんだ、このほぼヤラセゲーム。
1位はまだ分かる、組織で出るのもまだ許せる、でも何人も出て、しかも既に持ってるDeepRacer 実機を増やしてなんだよそれ、キミらいらないじゃんって話です。
というわけで、こちらの「AWS DeepRacer GP(Grand Prix) powered by DNP」は参加してはいけない類のイベントです。
だって、レースを開催して「我が社はスゴいでしょう」と自慢されるだけの会です。
なんだそれ。そんなん何が学びになるんだ、全然面白く無いんだよ。
ここで開発者のネットワーキングして得があるのは、開催企業のDNP社だけですからね。
機械学習のスゴい実践的なノウハウなら専業の他社に聞けば良いし、もう DeepRacer 実機の賞レースはないんです。あるのは DNPご自慢会。
実機だって手に入らないから他で活かせないんです。
やってらんない、解散解散。
それにたいして、クラウドファンディングやったり、人を募集したりしてた彼らはエラいですよ。
だんぜん応援したくなること間違いありません。
組織力だなんだとはいえ、彼らは草の根だし、アライアンス関係ないですしね。
AWS DeepRacer リーグが最悪な原因はなに?
あれだけ書いといてなんですが、DNP社などの参加した大企業だけが必ずしも悪いとは思いません。だって、ルール通りに彼らはやったんだから。不公平な中で、それを嬉しそうにするのは腹立たしいですが。
杜撰な AWS DeepRacer 運営が最大の原因です。
つまり、こういうことです。
- 実機がないと、全然ダメなことは絶対に分かってたはず
- 限定条件の企業しか絶対に上位に食い込めない仕組みの無理ゲーソーシャルゲーム
- 豪華賞品の賞レースで課金させまくるで悪質な釣り
それが分かっていて、AWS は DeepRacer 草の根ユーザーを切り捨てたわけです。
いや、食い物にしたって方が正しいかな。
ただでさえ、高額なゲームなだけに、余計に悪質だと感じました。
今後の DeepRacer League の楽しみ方
AWS Summit Tokyo が DeepRacer ユーザーとしては最低の形で終わりました。
今後ですが、匠は DeepRacer および DeepRacer League に参加するのはこれで辞めることにしました。
だって、もう目指す先がないんだから!
バーチャルリーグだって似た状態なんです。この記事の執筆時点ではこんな感じ。
今後、DeepRacer を始められる方は、ちょっとだけ勉強目的で少し走らせるのは良いと思います。
しかし、DeepRacer League に参戦することはオススメできません。お金の無駄。
そんなわけで、匠の参戦はここまでとして、これからは Deep4Drive を応援します。