待望の iPadOS がリリースされましたね!
いろんな便利機能が多数ありますが、こちらで紹介した通り、マウス+キーボードの組み合わせて使いたいユーザーが多いと思います。
かくいう匠も iPad で未だに記事を書くことが多いため、キーボードにはうるさい1人です。
しかし、実際のところ、iPadOS に最適なキーボードがどれか分かりませんでした。
そこで、この記事では iPad に最適なキーボードを知るため、5種類のキーボードを試しました。
少しでも iPad / iPad Pro ユーザーの皆様のお役に立てれば幸いです。
試したから分かる iPad キーボード対応の課題
日常的な利用を考えると、iPad で利用するキーボードは下記に対応していて欲しいですよね。
- iPadOSですぐに利用可能なこと
- 記号入力(キー配列)
- 日本語入力への対応
- Ctrlキー位置
- 特殊キー対応
- (ポインティングとの切替のスムーズさ)
恐らく、こちらが上から優先度に高い順になると思います。
これらの要件/課題について、キチンと満たせるかがポイントになります。
iPad キーボードの検証について
検証機材
今回は、こちらの iPad で検証を行いました。

なお、USB-Cでの接続にはUSBハブが必要となりますので、こちらを利用しています。

検証内容
実際に、試した内容はこちらです。
1. アプリで文字入力
iOS標準アプリ「メモ」で、次の文字を入力しました。
いつもの匠!123
https://takulog.info
こちらで下記のようなポイントを確認します。
- 英数字入力
- 日本語入力(入力切替)
- 記号入力(キー配列)
2. 特殊キーの動作
キーボード特有の特殊キーがあります。
- 特殊キーがアイコン通りに動作するか
3. Split View / Slide Over との相性
iPadOSの要となる機能の一つであるマルチタスクが、きちんと活用できるか確認しました。
- Split View したままメモ入力できるか
- Slide Over したままメモ入力できるか
以上の検証内容で、キーボードに期待する主な機能は網羅できてるはずです。
これらを試した結果がこちら。
iPadで5つのキーボードを検証してみた
試してみた動画の全編はこちらをどうぞ。
少し長めですが、下記で掲載した動画を通して見ることができます。
iPadキーボード検証1. Smart Keyboard
今回の検証で使ったキーボードはこちらです。

なお、旧iPad/iPad Pro向けのSmart Keyboard とiPad Pro 2018年版以降向けのSmart Keyboard folio の2種類があります。以降は「Smart Keyboard」と総称します。
検証して見た結果、こちらのようになりました。
iPadOS との接続 | ◎ | Smart Connector対応 |
英数字入力(通常入力) | ○ | |
日本語入力(入力切替) | ○ | スムーズに切り替え可能 |
記号入力(キー配列) | ○ | キートップ通りに入力可能 |
特殊キー | - | 特殊キー自体がない |
Split View / Slide Over対応 | ○ |
iPad標準で、最も利用されるであろうキーボードですね。全ての機能を利用することができます。
今回紹介する中で唯一 Smart Connectorに対応している点と、iPadと組み合わせでのモバイル性の高さが最大のメリットです。
反面、特殊キーも無ければ、打鍵も浅くて長時間の入力には好き嫌いが分かれます。
加えて、入力時に iPad の角度と位置が固定になりますし、価格が高い点がネックになります。
とはいえ、文章を大量に書くのでなければ、iPadとの持ち運びに最適なキーボードと言えます。
なお、こちらを活用すれば安く手に入るかも知れません。
iPadキーボード検証2. Apple純正キーボード
今回の検証で使ったキーボードはこちらです。

検証してみた結果、こちらのようになりました。
iPadOS との接続 | △ | Bluetooth接続の手間が必要 |
英数字入力(通常入力) | ○ | |
日本語入力(入力切替) | ○ | スムーズに切り替え可能 |
記号入力(キー配列) | ○ | キートップ通りに入力可能 |
特殊キー | △ | 特殊キーは少し効く |
Split View / Slide Over対応 | ○ |
Apple製デスクトップ/ノートパソコン向けの外付けキーボードです。今回試したのはテンキーのないコンパクトキーボード。
さすがに純正だけあって、かなキーや英数キーが効くのが良いです。
打鍵の感触も良いですし、コンパクトキーボードなら軽くてかさばらないので一緒に持ち運んでも違和感はありません。
ただ、外付けらしく、毎回Bluetoothでの接続確認が少し面倒かなと思うくらいです。
あと、利用するときに iPad をどう立てておくかという問題が発生するのが難点です。
カフェやコワーキングスペースなどでiPadを長時間打鍵するユーザー向けとしては、とても利用しやすいのではないかと感じました。
iPadキーボード検証3. USBフルキーボード
今回の検証で使ったキーボードはこちらです。

テンキー付きキーボードとしてはスタンダードで、余計な機能がないのが特徴的な機種です。
検証してみた結果、こちらのようになりました。
iPadOS との接続 | △ | USBハブ+USB接続 |
英数字入力(通常入力) | ○ | |
日本語入力(入力切替) | △ | 窓キー+スペース切替が面倒 |
記号入力(キー配列) | ○ | キートップ通りに入力可能 |
特殊キー | - | 特殊キー自体がない |
Split View / Slide Over対応 | ○ |
キーボード自体に特徴がないものの、USB-Cとの接続がどうかと心配でしたがスムーズに動作することが確認できました。
フルキーボードを使うメリットとして、テンキーが使える利点はそのまま享受できるようでした。日本語入力も問題有りません。
ただ、サードパーティ製キーボード共通の難点として、かなキー/英数キーなど切替のキーが使えない点が挙げられます。
そのため、日本語入力への切替に窓キー+スペースを使用するため、切替が面倒に感じます。
また、テンキーはNumLockキーが動かないのと、Home/End/PageUp/PageDownなどのキーが動作しないのが気になります。
これらをよく使うユーザーはイマイチだと感じるかもしれません。
加えて、接続のためにUSBハブを挿して、USBキーボードを挿すふた手間が必要です。
この手間は慣れると大したこと無いですが、煩わしいと感じる人も居るかも知れません。
あと、Ctrlキーの位置がAキーの隣に無いのが残念です。
これら難点も多いですが、テンキーが使えるメリットは大きいです。
Numbers や Excel といった表計算アプリを多用するユーザー向けには、利用価値が高いかもしれません。
iPadキーボード検証4. USBコンパクトキーボード
今回の検証で使ったキーボードはこちらです。

既に販売停止になっているモデルですが、手元にあるものがコレしかなかったのでご容赦下さい。
USBコンパクトキーボードとしては、トラックポイント以外はスタンダードなものだと思います。
こちらを検証してみた結果、こちらのようになりました。
iPadOS との接続 | △ | USBハブ+USB接続 |
英数字入力(通常入力) | ○ | |
日本語入力(入力切替) | △ | 窓キー+スペース切替が面倒 |
記号入力(キー配列) | ○ | キートップ通りに入力可能 |
特殊キー | × | 全滅 |
Split View / Slide Over対応 | ○ |
こちらもUSB-Cとの接続はスムーズに動作することが確認できました。
この接続のためにUSBハブを挿して、USBキーボードを挿すふた手間が必要です。
この手間は慣れると大したこと無いですが、煩わしいと感じる人も居るかも知れません。
また、こちらもサードパーティ製キーボード共通の難点として、かなキー/英数キーなど切替のキーが使えません。
そのため、日本語入力への切替が窓キー+スペースとなり、煩わしく感じます。
また、Home/End/PageUp/PageDownなどのキーに加え、特殊キーが動作せず、全滅でした。
これらをよく使うユーザーはイマイチだと感じるかもしれません。
あと、Ctrlキーの位置がAキーの隣に無いのが残念です。
これら難点も多いため、正直こちらのコンパクトキーボードをわざわざ選ぶメリットはないように感じました。
ただ、トラックポイントキーボードやタッチパネル付キーボードであれば、動画で紹介しているようにポインティング(タッチ操作)をキーボードで完結できます。
これは選ぶキーボードによってはメリットになるかも知れません。
iPadキーボード検証5. 無線コンパクトキーボード
今回の検証で使ったキーボードはこちらです。

トラックポイント付きという以外はスタンダードなコンパクトキーボードと言えます。
検証してみた結果、こちらのようになりました。
iPadOS との接続 | △ | Bluetooth接続の手間が必要 |
英数字入力(通常入力) | ○ | |
日本語入力(入力切替) | △ | 窓キー+スペース切替が面倒 |
記号入力(キー配列) | ○ | キートップ通りに入力可能 |
特殊キー | △ | 一部利用可脳 |
Split View / Slide Over対応 | ○ |
Bluetooth接続の手間があるものの、余計な機材がいらないと意味では接続が簡単でした。
ただ、PCなどとの接続を併用ができないので、キチンと接続解除が必要です。
そういった意味では、ペアリングの切替には注意が必要です。
また、こちらもサードパーティ製キーボード共通の難点として、かなキー/英数キーなど切替のキーが使えません。
そのため、入力自体には問題がなくても、日本語入力への切替が窓キー+スペースとなり、煩わしく感じます。
また、Home/End/PageUp/PageDownなどのキーに加え、特殊キーが動作しません。
ただ、こちらは先の Apple Magic Keyboard 同様に一部動作します。
明るさ強弱 と 音量 と 検索 の機能に関しては利用できるようでした。
あと、Ctrlキーの位置がAキーの隣に無いのが残念です。
多少の難点もありますが、USBコンパクトキーボードを選ぶくらいならこちらを選ぶ方が良い気がしました。
また、こちらもトラックポイントがあることから、動画で紹介しているようにポインティング(タッチ操作)をキーボードで完結できます。
これは選ぶキーボードによっては、大きなメリットになるように感じます。
iPad に最適なキーボードは?
試してみると色んな特性が見えてきました。
- 純正キーボードは高いが、適応度は高い
- サードパーティ製キーボードは英数/日本語切り替え、特殊キーに難
- USB系は接続が面倒くさい
- ポインティングデバイス付きなら選ぶ価値あるかも
- 配列はきちんと見てくれる
紹介した以外にもたくさんiPad向けサードパーティ製キーボードはあるのですが、大抵はJIS配列に未対応です。そのため、論外としました。
というわけで、結論としては下記のようになります。
モバイル重視ならこちら。

長時間の入力作業するならこちら。

つまり、純正は伊達じゃない!という結論でした。
ユーザーによって感じ方が違うと思いますので、どんどん実際に使ってみて判断した方が良いと思いますよ。