マストドンのトゥート再利用やブーストは違法では?気をつけるポイントをチェックしよう!

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どうも、匠です。

たまにマストドンのタイムラインで見かけるお話として「どこまでがトゥートのパクりで、どこまでが利用なのか?」があります。

このような話題について、匠は専門家ではありません。そのため、心配になって匠のマストドンの使い方が大丈夫なのか調べてみました。

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対象

このエントリで取り扱うのは下記3つです。

  • トゥートの再利用(丸パクり、改変を含む)
  • トゥートのブースト
  • トゥートの引用

トゥートを外部で利用したり、あるいは外部の情報をトゥートに記載する類の話は別の議論とさせていただきます。

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著作権を簡単に

まず基準となるべき著作権について。文化庁から提唱されている定義を見てみましょう。

著作権制度の概要 | 文化庁
政策について

この数ページから要件を掻い摘まむと、実は下記。

思想又は感情創作的表現したものであること

とはいえ、まだ抽象的でわかりにくいです。そこでもう一つ条件が加わります。

(4)「文芸,学術,美術又は音楽の範囲」に属するものであること

明確なようで、いくらでも言い逃れできそうな感じはありますが、日本の法律で争う根幹です。

ただ、実は一番参考になりそうなのはこちらの1文。

具体的には,小説,音楽,美術,映画,コンピュータプログラム等が,著作権法上,著作物の例示として挙げられています。

マストドンのトゥートは、これら具体例に当てはまるものが多いはずです。表現の自由度が高いが故に。

これ以上は法律を読んで!ということになるわけですが、条文を覚えて法的解釈をするのは素人には辛くなってきます。。。

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Twitterのツイートに法的解釈に学ぶ

そこで、最も似たSNSであるTwitterに関して、過去に議論された内容を参考にしましょう。

こちらは法律のプロである弁護士さんが書かれてありながら、非常にわかりやすいです。熟読をオススメします。

弁護士が解説!「ツイッターの引用」って合法?違法?
レイ法律事務所・弁護士の河西邦剛です。 インターネット上の記事でブログなどで第三者のTwitter上の発言(い…

その中で重要なポイントを抜粋すると、、、

著作権法10条1項では著作物にあたる具体例が列挙されているのですが、その中の「言語の著作物」に該当すると言えるでしょう。ツイートは「著作権法上の著作物」と言うことができるわけですね。

たった140文字であっても創作性があれば違法になり得る、と。まして、500文字でメディアファイルまで含むトゥートは言うまでもなく対象になるでしょう。

ということは、「創作性」のあるトゥートの再利用、つまり「丸パクリ」はもちろん、「部分利用」は改変にあたる可能性があるため、違法になる可能性が高いと言えます。

もっとも「引用」と言える場合には、著作者の承諾を得ずとも複製することが認められるので、ツイートを用いる場合に問題になるのが、この「引用」として許されるか否かとなります。

ここが争点になりそうです。引用に関する条文は著作権法第32条

著作権法 - Wikisource

これを解説してくださっています。気を付けるポイントは次の4つで、マストドンも同じだと考えます。

① 公表された著作物であること
② 引用先のサイトと引用元のツイート部分が明瞭に区別することができて
③ 引用先のサイトが主であり、ツイート部分が従であり
④ 出所が明示されている

マストドンだと、こういう解釈になるかと思います。

  1. トゥートの公開範囲によって「公表された」とは判断できないケースがあり得る。「公開」設定されたトゥートが無難。
  2. 引用する場合は括弧書きなどで明示すべき。パクツイならぬパクりトゥートはもってのほか。
  3. ここが難しそうですが、議論元がトゥート元であることが言えれば大丈夫かと。無関係だったりするとダメなんでしょうね。
  4. 引用元トゥートをURLなどで示すべき。これも②と同様。

上記の4つの引用要件に合致しないトゥートは違法になる可能性があるということです。

つまり、「パクりトゥート」や「改変トゥート」は引用要件に合致しないため、元トゥートの著作権法違反に問われる可能性が高いということになります。「都合よく一部だけ引用したトゥート」も改変トゥートに当たる可能性が十分にあるでしょう。

ただし、そのトゥート主が訴えれば、です。マストドンでは気付く仕組みが整っていないため、例えば別インスタンスでトゥートされたものを気付く、といったことは厳しいかもしれませんね。これはまた別の議論が必要です。

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ブーストは違法か

ブーストについては、最近の判例が役に立ちます。

ツイッターのリツイートと著作権侵害 | 創英国際特許法律事務所
ツイッターのリツイートと著作権侵害 東京地裁平成27年(ワ)第17928号発信者情報開示請求事件 平成28年9月15日判決 1.はじめに SNSのなかでも著名なツイッターにおいて、著作権侵害のあるツイートをリツイートした場合に、リツイート者も著作権侵害をしたといえるのか。今回はこの点が争われた裁判例を紹介します。 ...

Twitterのリツイートは違法ではないこと、著作権侵害のツイートをリツイートしても違法ではないことが判決結果として出ています。

マストドンの場合、公開範囲という考え方があるため解釈が異なる可能性がありますが、通常のマストドンの機能を使ってブーストする分には問題なさそうです。

ここまでは国内の話。

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海外ユーザーとのトラブルは?

海外ユーザーとの話になってくると更にややこしいです。海外ユーザーや海外インスタンスとのトラブルは、少なくとも日本の法律で議論するのが難しくなってきます。

そこで、Twitterの場合は、Twitter社の方針に照らし合わせて、アカウント凍結などの措置を相談していくことになります。

Copyright policy
Learn about Twitter's copyright policy, including how to file a copyright complaint.

これがマストドンになると、インスタンス運営元が1つではないので、少し話が変わってきます。

例えば、Pawooだとこのように掲載しています。

Pawoo
Pawoo(パウー)はピクシブが運営するMastodonのインスタンス(サーバー)です。 「創作活動や自由なコミュニケーションを楽しめる場」として、どなたにも幅広く使っていただけます。

禁止行為
・日本国内の法律に違反する行為
・他者に中傷・脅迫・経済的もしくは精神的に損害や不利益を与える行為
・実在の人物・団体などになりすます行為
・他者の著作物を無断転載する行為

「パクりトゥート」や「改変トゥート」などはいずれにも該当しますので、運営側に何らか処置を訴えれば対応してくれるケースになりえます。この強度は運営に依存するところがややグレーですが、それはTwitterであっても同じ話。

JP鯖であっても表現は違いますが、言いたいことは同じです。

mstdn.jp
【mstdn.jp メンテナンス予定のお知らせ】 安定性及び、処理性能の向上のため、2019年1月7日(月)にサービス停止を伴うメンテナンスを実施します。 ご迷惑をおかけしますがよろしくお願い致します。

法律は守ってください.犯罪に加担していそうだったり,日本法に抵触するようなトゥートは禁止です.最悪警察や裁判所の要請に応じてログを開示することになります.

海外インスタンスの例として、マストドン開発者のオイゲンさんが運営する mastodon.social の場合。

Mastodon
Follow friends and discover new ones. Publish anything you want: links, pictures, text, video. This server is run by the main developers of the Mastodon project...

Any conduct intended to stalk or harass other users, or to impede other users from utilizing the service, or to degrade the performance of the service, or to harass other users, or to incite other users to perform any of the aforementioned actions, is also disallowed, and subject to punishment up to and including revocation of access to the service.

直訳は置いておいて、こちらも他人に不利益を被ったり、嫌がられる行為をしてはいけない、というガイドラインを示しています。

他にもいくつかインスタンスを見て見ましたが、いずれのインスタンスでも同じようなルールを掲げているようです。そのため、法律的な対応も去ることながら、マストドンの場合はインスタンス管理者に訴えるのが適切かもしれません。その際には、掲げられているルールに基づいて具体的に報告するのが良いようですね。

これまでにも実際に、複数のユーザーから抗議を受けるなどによってアカウント凍結(削除?)をインスタンス運営から受けた迷惑ユーザーもいるようですね。

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まとめ

トゥートが著作物の要件を満たすか

トゥートの引用に当たるか

これに尽きます。日常的な使い方で問題になるということは、まずありえません。ということは、こういうお話でトラブルが起こるのは、十中八九、利用/引用元のトゥートへの敬意や配慮の無さ、あるいは悪意によるものです。

利用/引用元に不利益を被らせるような使い方はしないことを意識すれば、基本的には問題になることはないはずです。※ジャ○ーズやディ○ニー関連は除く

ちなみに、肖像権やプライバシーについてはまた別の話になるので注意ですね。

こういったことを頭の片隅に少し置いて、楽しいマストドンライフを送りましょう!