「俺、死ぬの?」未知で不治の病「抗MOG抗体関連疾患」を発症した話

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どうも、匠です。

改めて考えてみると、今年に入るまでの数十年間、健康すぎました。

しかし、昨年後半から急にお酒を飲むのが辛くなり、体調不良を感じることが増えました。

そして、こんなことが起こるわけです。

ホントに治る?視神経炎と診断されて緊急入院した話
ある日突然、降って湧いたように視神経炎という病気で長期入院を余儀なくされてしまいました。その発症から入院前までの顛末です。

とはいえ、入院、自宅療養の末、無事に社会復帰を果たすわけですが、それが序の口であったことを知るのは復帰した1ヶ月後でした。

告げられたのは病気は「抗MOG抗体陽性視神経脊髄炎」でした。

匠の人生において、初めて「え、もしかして、俺、死ぬの?」と思わされるほどの戦慄を覚えました。

それからの数ヶ月は不安のまま、たくさんの医学論文や医者との問答をくりかえすことになったのです。

この記事は、そんな同じ病気で同じ思いをする人が、不安を和らげられればと思い、書くことにしました。少しでもお役に立てば幸いです。

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未知の病「抗MOG抗体関連疾患」とは

医学的な解釈

「抗MOG抗体関連疾患」と呼ぶそうです。

「MOG」というタンパク質の名前が印象的です。ぬいぐるみとは関係なくて、「myelin-oligodendrocyte glycoprotein(ミエリンオリゴデンドロサイト糖タンパク)」の頭文字を取った略称だそうです。

ただ、話を聞いたり文献を読んでる感じでは、いろんな呼び方があるようです。また、発症の仕方など、さまざまな条件で名前が決まるようです。匠の病名の正式な診断結果は「抗MOG抗体陽性視神経脊髄炎」でした。目の神経が炎症を起こしたということを示す病名ですね。

元々は「多発性硬化症」や「視神経脊髄炎」といった別の病気と考えられていたが、どうやらそうではないらしい、ということで判明した病気だそうです。症例がまだまだ少なく、統計的な確率は出せないほどの患者数だそうです。

以下は、参考になる記事です。

抗アクアポリン4抗体について:東北大学大学院医学系研究科 多発性硬化症治療学寄附講座
東北大学大学院医学系研究科多発性硬化症治療学寄附講座では多発性硬化症という病気の原因解明と治療法開発に取り組んでいます。

実際に、この測定のお世話になっています。最初は髄液で測定しましたが、2回目以降は血液検査でも十分だと言われました。ありがたいけど、それなら1回目も血液検査が良かった(苦笑

抗MOG抗体関連疾患|MSキャビン
抗MOG抗体関連疾患|特定非営利活動法人MSキャビン(エムエスキャビン)。多発性硬化症(Multiple Sclerosis; MS)と視神経脊髄炎(Neuromyelitis Optica; NMO)の情報を提供しています。

特徴の一部が端的に掲載されていて、比較的わかりやすいページです。

抗AQP4抗体は陰性
発症年齢は20〜30代に多い
男女差はないか、やや男性に多い
視神経炎の頻度が高く眼痛を伴う
脊髄炎は感覚障害が主体
排尿障害の頻度が高い
髄膜脳炎によるけいれんを起こすことがある
小児のADEM(特に再発性)で陽性頻度が高い など

テーマ別Q&A 抗MOG抗体疾患 多発性硬化症治療研究所

下記の通り、厳しい文言が綴られています。わずかに情報が古いかな。。。

治療法については、新しい疾患で、診断された例数も未だ少ないので、長期的な再発防止法について、根拠のある方針が確定できていません。 いわば手探りで経験を積みつつある段階です。
症例がいくつか掲載されていますが、新たな病気であることを思い知らされます。

MOG抗体疾患/関西多発性硬化症センター
大阪の入野医院と京都民医連中央病院での多発性硬化症と視神経脊髄炎の専門治療

こちらも端的に、病気の特徴が記載されています。

現在分かっていることは、
①プレドニンが良く効くが、減量や中止をすれば再発することが多い
②開始が遅れなければ、重症の再発時には血漿交換が良く効く
③治療をしていればNMOSDやMSと比べて、強い後遺症を残すことは少ない
ということです。

匠の解釈

さて、ここからは匠が収集した情報と医者からヒアリングした結果です。責任は持てませんが、あくまで一例としてお読み下さい。

死ぬ?

最も重要なのはすぐに死ぬ病気ではないことです。

国に認定されていないですが、治らず、発症時の症状が重い、後遺症が残る可能性があるという意味では「難病」といえると思います。

しかし、匠にはすぐに余命宣告を受けるような病気ではないことがわかり、とても安心しました。命危険の危険はすぐにはないというのは、やはり大きいです。

また、この病気は生活習慣病などと同じように付き合っていくべき病気と早く捉えられたので、すぐに気持ちの面でも立ち直ることができました。

とはいえ、告知されたときはそれなりに衝撃を受けましたが。

症状の原因

なんでも普通の人は検出しない免疫が髄液やらに出現して、それが神経を攻撃してしまうんだそうです。

発症した直後の免疫(MOG抗体?)の数はこちら。

MOG検査結果(2017年2月)

通常の人に無いものが512倍。もうぜんぜんピンときません。いや、症状に出てるんですけどね。。。

ちなみに、先の記事にも書きましたが、匠は右眼が見えなくなりました。視神経が炎症起こして腫れてましたね。なんと怖い。。。

その後、目は完治したものの、改めて調べた5ヶ月後の検査ではコチラ。

MOG検査結果(2017年7月)

4分の1には減りましたが、それでも常人に無いものが128倍もある異常さ。。。やっぱりピンときませんけどね。。。

これは恐らく今後も無くならないでしょうとのこと。いや、全然ピントきませんけどね。。。(しつこい

単相性

医者曰く、この「単相性」とは症状が一回だけということを示すそうです。つまり、単発のケースが多いそうです。しかし、再発したケースもあるとのことです。その確率は、症例不足過ぎて分からないということです。もちろん割合不明。肌感では50%。いやいや、50%も再発したら、再発の方が多く感じるから(汗

匠としては、「単相性」に該当した症状であることを、ただただ祈るばかりです。

それにしても、医薬用語は難解ですね。。。この用語を皮切りに、馴染みのない医療用語が続いて混乱してしまいました。もう論文読んでみてもチンプンカンプン、、、絶対業界人以外分からないようにワザと書いてると思うんですよね、きっと。。。

長期的な投薬治療

匠の場合、ステロイドこと「プレドニン」の少量の投薬を長期続けた方が無難という診断結果となりました。今のところは2年くらい。

薬を飲んでいる間は、再発した例が少ないそうです。もちろん、確定的なことや統計的なことはサッパリ情報がありません。そのため、投薬していても再発リスクは絶対無いとはいえないのが不安なところです。ただ、これしか拠り所がないのもまた事実です。。。

ちょっと不便なのは、軽い頭痛とかで勝手に風邪薬や頭痛薬とかを飲めなくなってしまいました。プレドニンは飲み合わせとかがあるみたいで。そのため、薬を飲むには医者に確認が必要になったというのが、少し面倒なところです。夏風邪ひいた時なんかは大変でしたよね(汗

発症時の主な症状

視野異常、感覚障害、麻痺、膀胱直腸障害など

つまり、「目が見えなくなる」「麻痺が出る(主に下半身)」「オシッコが出なくなる」のだそうです。

どれも衝撃的な症状で、正直恐ろしいです。

もし自分がそうなったらって想像つきます?「オシッコ出ない苦しさ」なんか、想像がつきません。どうなっちゃうんだろう。。。?

そして、いずれも現状の範囲であって、解明されていないだけに例外もあり得るということが恐ろしいです。つまり、本当のところは生死に影響するかどうか分からない、というわけです。

「未知の病気」というのは、それほどまでに「未知」なんですね。。。

重病に発展するケースは少ない

後ろ向きな可能性ばかりではありません。先に述べた「多発性硬化症」などに発展する可能性は少ないというのが光明です。

先に挙げた病気はさらに恐ろしい症状があり、余命宣告的な話も耳にします。それに比べたら、軽くて助かるな、と安心してしまいます。

ただし、あくまで「現状の症例では」という前置きと、少数ながら発展したケースがあるということに不安を覚えざるを得ません。

それでも前向きに捉えられる要素があるだけ、全然マシです。


さて、ここまでは発症した病気のことについて書いてきました。

では、発症して治癒して復帰した匠のような人間はどうなったのかというと。。。

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半年後の現在

症状

まったく問題ありません!

ちょっと油断すると、もう病気かどうかすらわからない状態です(汗

そんなわけで、思わず働き過ぎてしまいそうになります。しかし、医者からはこう注意されています。

「疲れるな!ストレスを溜めるな!」

この病気は「原因不明」ということからこのような注意を受けています。いやいや、日本の多忙なビジネスマンかつ、その中でも多忙な部類に入るシステムエンジニアに対して、なんと無理ゲーを強いるのか。。。

ただ、そう言われてしまったからには従わざるを得ません。なんせ、どんなに色々と思うところはあったとしても、今のところ、病気に関して頼れるのは医者しかいないという残念な事実があるわけですから。

そんなわけで、この医者の指示を理由に、定時退社&負担の少ない勤怠を会社と上司にお願いする羽目となりました。

それでも仕事ができていますから、会社や上司、同僚には感謝の言葉しかありません。

ただし、毎日「プレドニン」という薬2粒と、いくつかの錠剤を飲み続けています。それを忘れると大変なことになるそうなんで、一週間分の薬ケースを使って徹底的に管理してたりします。

ちなみに、匠が使ってるのはこちらで、非常に重宝しています。

これだと、匠が飲み忘れても嫁が気付いてくれたりします。もし家を出てから気付いても良いように、携帯用の薬ケースも常備しています。

とはいえ、習慣化してからはあまり活躍の機会はありませんが。ここ半年だと、1回しか活躍してません。、。

食事

病気そのものというよりも「プレドニン」の影響ですが、カロリーの取り過ぎは注意が必要と言われています。これは通常よりもカロリーを取りやすくなってしまい、糖尿病を発症しやすくなっているかららしいです。

お酒も普通には飲んで良いと言われてますが、もちろん薬を飲んでからは間を空けないといけないし、飲み過ぎるとカロリーに影響してくるのが怖いです。そのせいもあって、飲み会に行く機会がめっきり減りましたね。

おわりに

少し長くなってしまったので、ここに書いた以外の内容はまた別の記事に書きたいと思いますが、1つだけ最後に匠が選択したことを記載します。

匠は可能な限り投薬し続けることを選択しました。再発しないなら一生でも良いと。

もちろん、薬なんて飲まなければ飲まない方が良いし、プレドニンを辞めればお酒も心置きなく飲めます。

しかし、全容が分からない状況で飲んで、もっと深刻な症状を再発するよりは今の状態を維持する方が全然マシです。いや、むしろ、薬を気にして体調管理を徹底してる分、今の方がスゴく健康ですし。

そんなわけで、病気で生活は大きく変わってしまいましたが、全然ハッピーです。
今の状態を前向きに捉えさせてくれる環境の幸運さと、見放さずに付き合ってくれる家族と会社に感謝だな、と思うわけです。