MSI X570 UNIFY を買って失敗したくない!
高価なマザーボードですから、そう思って当然ですよね。
この記事では実際に MSI X570 UNIFY を使ってみた結果、何度も失敗した話をご紹介します。
このマザーボードの購入を検討している方の参考になれば幸いです。
MSI X570 UNIFYとは?

MSI X570 UNIFYは、MSI社のハイスペックマザーボードの1つです。

主なスペックは下記の通り。
CPUソケット | Socket AM4 |
チップセット | AMD® X570 Chipset |
メモリ | デュアルチャネル 4スロット(128GB) |
M.2ポート | 3 |
PCI Express | x16 3スロット、x1 2スロット |
USB 3.2 | Gen2 Type-C 2ポート、Gen2 Type-A 7ポート、Gen1 Type A 2ポート |
USB2.0 | 2ポート |
LAN | Realtek® RTL8125 2.5 Gbps LAN controller 1ポート |
無線LAN | IEEE802.11a/b/g/n/ac/ax (Wi-Fi 6対応) |
Bluetooth | 対応 |
フォームファクタ | ATX |
オーディオジャック | 5+ Optical S/PDIF (Realtek® ALC1220 Codec) |
オンボードRAID | 0/1/10 |
上記をご覧になっても、ぜんぜん分からない向けに特徴をかいつまむと以下の通りです。
- 第2~3世代のRyzen対応(Ryzen 9 & Ryzen 7 & Ryzen 5 & Ryzen 3)
- M.2 SSDポートをはじめ、とにかくポートが多い。しかも最新規格。
- Wi-Fi 6と2.5Gbps LANも使えてネットワーク性能が高い。
- ATX
このように、通常の利用するには素晴らしいマザーボードです。
そう、あくまでカタログスペックは素晴らしいハイスペックなマザーボードなんです。
たしかに失敗だった点を無視すれば、非常に安定した素晴らしいマザーボードなのは間違いない。
しかし、実際に使ってみるといくつか失敗な点が見えてくるわけです。
その失敗たちをこれから紹介していきます。
失敗1 音声入力端子が動作しなかった
MSI X570 UNIFYの背面コネクタパネルはこちらです。
1 | クリアCMOSボタン |
2 | Wi-Fi / Bluetooth アンテナ端子 |
3 | PS/2ゲーミングデバイスポート |
4 | Realtek 2.5GB LANポート |
5 | HDオーディオ端子 |
6 | Flash BIOSボタン |
7 | USB 2.0 ポート |
8 | USB 3.2 Gen1 ポート |
9 | USB 3.2 Gen2ポート A+C |
10 | USB 3.2 Gen2 ポート |
このようにポート数が多くて、非常に多機能なマザーボードであることをこのパネルが象徴していますね。
しかし、問題はこの多機能なポートたちが全て正常動作してくれるわけではない点です。
このうち、5番のHDオーディオ端子のうち、マイク端子およびオーディオ入力端子が機能しなかったのです。
後述しますが、このMSI X570 UNIFYは初期不良に当たってしまった(と言われている)ので、2枚の同型マザーボードを使ってみました。
その2枚共で、まったく同じ症状が出たのです。
しかもOS(Windows 10)は3回入れ直しをしていて、同じ症状でした。
つまり、このマザーボードは近年のWindows 10ではオーディオ入力できないわけです。
もちろん偶然が重なった可能性もありますが、実際に使えない可能性があります。OSあるいは何らかのパーツとの相性で。(USBなど外せる機器は外して切りわけはしたけど原因不明)
これは在宅勤務が続く2020年~2021年では、かなり不便さを感じました。
そうはいっても、手持ちのオーディオインターフェースとDACを駆使して、なんとかギリギリ使い続けていたました。なんとか。
失敗2 Thunderbolt 3は絶対に使えない
MSI X570 UNIFYは、USB 3.2 Gen2 Type-Cポートを搭載しています。
しかし、このマザーボードではThunderbolt 3デバイスは利用できないのです。
Thunderbolt 3 の eGPU や外部SSDなどを活用したい身としては、残念でなりません。
ただ、購入時の勘違いとして「Thunderbolt 3はパーツで追加できる」と思っておりました。
そのため、下記のポートを購入して追加しようとしました。
[amazon asin="B072JD1WWK" kw="ASRock 拡張インターフェースボード Thunderbolt 3 AIC"]
実際にPCI Expressポートに搭載してみましたよ。キチンと購入して。
そうするとマザーボードに必要な「Thunderbolt ヘッダー」と呼ばれる端子がないことに気づいたわけです。
つまり正常稼働できず、OSが認識してくれなかったのです。
残念すぎる…
あんまりにも悔しかったんで、海外からMSI純正のThunderbolt 3ボードを輸入してみましたよ。eBayでわざわざ探して輸入までして。しかし、「Thunderbolt ヘッダー」端子が無いのは致命的でダメでした。
そんなわけで、Thunderbolt 3機器の利用は諦めざるを得ませんでした。
失敗3 BIOS更新に必ず失敗して壊れた
最後の失敗が致命的でした。
BIOS更新に必ず失敗するんです。
もちろんインターネット上には、キチンとBIOS更新できた情報もあるんです。
しかし、2回やって2回とも失敗してBIOSが壊れたわけです。全敗。
偶然と思いたかったですし、マニュアルは性格に読み込むのはもちろんですが、理解の仕方が悪いのかと思って英語版のマニュアルやYouTube動画を漁りまでした。
1回目は何の気なしに、それでもマニュアルの手順通りに実行して起動不能。
敢えなくサポートに連絡すると、初期不良として日本代理店が無償交換してくれました。
これはまだ良かった。半年はそっと使い続けましたよ。
しかし2回目。今度は慎重に文献や動画などあらゆる情報を調べて抜かりなく実行しました。
見事にBIOS起動不能。
もう絶望しますよね、そりゃ。
そうはいっても、IT業界はシロウトじゃないんですよ、マニュアルはなんのため?みたいな。
CMOSクリアはもちろん、電池外しなど出来ることを全部やっても復旧できず。
仕方なくサポートに連絡すると、有償サポートを案内されるわけです。
そりゃもう使いたくなくなりますよ。
なぜなら、BIOS&マザーボード故障は三重苦なんですから。
- BIOS再建費用がキツイ
- 全パーツを付け直しもキツイ
- 修理に出している間にPCが使えなくなることもキツイ
もちろんBIOS更新しなければ良い!という意見があることもわかります。
だがしかし、失敗1のオーディオ入力端子問題がBIOS依存の問題かもと思ってしまって、つい更新したくなるわけです。どうしようもない。
この失敗というか不具合というか問題が致命的すぎて、敢えなくMSI X570 UNIFYを使い続けることを諦めざるを得ませんでした。無念すぎました…
こういうことを書くと「お前の環境だけだろ」と言われます。
いや、恐らくそうだと思いますし、思いたい。
同じマザーボードが同じ理由で同じ作業で2回壊れるなんて偶然だと思いますよ。
(そんなわきゃない)

壊れてないし、BIOS修復の方法はあると思う人はどーぞやってください教えてください、という感じです。
なんせMSIサポートに問い合わせて、匙投げられたという事実があってのことですから。
結論 もっと選ぶべきマザーボードがある
使ってみて分かった MSI X570 UNIFYを使うべきユーザーはこちら。
- オンボードのWi-Fi 6が欲しい人
- オンボードの2.5Gbps対応Ethernetポートが欲しい人
- M.2 SSDを3本もマザーボードに挿したい人
ちなみに、これらはUSBもしくはPCI Expressなどで後から拡張して補える条件でもあります。
もしもこれらの条件を求めないなら、もっと安いマザーボードを選ぶべきです。例えば、こちら。

もしもThunderbolt 3対応と10Gbps対応 Ethernetポートまで欲しい人は、こちらを選びましょう。

ちなみに、筆者は後者を選択しました。
このマザーボードは、偶然にも有名YouTuberのお二人と同じパーツでした。
購入してから知りましたので、真似したわけではありません。
しかし、彼らのファンとしては嬉しい限りですし、やはりハイスペックマザーボードを求めるとASROK X570 Creatorに辿り着くんだな、と感じました。
ちなみに、交換してから1ヶ月経ちましたが、今のところまったく不具合らしい問題には遭遇しておらず、すこぶる快調です。
MSI X570 UNIFYからASROK X570 Creatorに換装する作業に3時間超かかったという実績をお伝えして、この記事は締めたいと思います。
最後まで読んでいただいて、誠にありがとうございました。