2020年、コロナウィルス騒動に伴って在宅勤務が続いていましたね。
我が家の自宅PCの稼働する機会が増えて、性能不足が露呈してきました。
そこで2020年6月に自宅のデスクトップパソコンを、自作パソコンに買い換えました。
自分のための記録に近いですが、これから自作PCを作る方にも何らか参考になれば幸いです。
自作パソコンを2020年に組むに至った理由

自宅でパソコンを使う機会は、昨年までそんなに多い時間ではありませんでした。
殆どは記事の執筆など、このブログに関する作業がほとんどで、パソコンのパフォーマンス不足が気になることは多くありませんでした。
しかし、コロナウィルス騒動が始まって一変しました。
会社から持ち帰ったパソコン(業務端末)で仕事を行う点はかわりませんが、音楽やYouTubeなどを流して気分転換しながら仕事をする時間がかなり増えました。あるいは、ブラウジングでの情報収集は自宅PCで行うことによって、業務端末のパフォーマンス不足を補うこともしばしば行うようになりました。
また、自宅の時間が増えるにつれて、スキマ時間が私用に使える機会も増えるわけです。
そこで、このブログの記事を書いたり、写真/RAW画像をレタッチしたり、動画を編集したり、仮想環境を作っていろんなソフトウェアを検証してみたりする機会がドンドン増えてきました。
そうなると、それなりに高スペックのパソコンが必要になることは自明です。
また、世間ではAMD社の Ryzen 7 が大流行していましたよね。
この Ryzen 7 のコストパフォーマンスの良さに目をつけまして、このCPUを軸に自作パソコンを組むことにしました。
自作パソコンのコンセプト

今回、自作パソコンを組むに当たって、3つのコンセプトを決めました。
- 自宅環境に優しい「静音省電力」
- 動画編集がサクサクできること
- 3台以上のゲストOSがサクサク動くこと
これは優先度順になっていまして、コンセプト1は特に重要です。
我が家には乳児がいますし、オンライン会議を頻繁に行う作業部屋に配置しますので静音は絶対条件です。
その上、四六時中 3Dプリンタが動いていながら、オンライン会議をやっていますので、停電することがなるたけないようにする必要があります。また、検証作業で24時間稼働させることだって多々ありえますから、電気代も気になります。
そんなわけで、高パフォーマンスと静音省電力のバランスがとれた自作パソコンが作れる必要がありました。
ただ、高額なパーツで組めば良い!というわけではないのが、なかなか難しかったところです。
自作パソコンを組んでみた
先に紹介したコンセプトにしたがって、実際にパーツを選んでパソコンを組みました。
出来上がった自作PC
拡張性を重視して、フルサイズのケースとマザーボードを選んだため、結構大きなサイズとなりました。正面だとこんな感じ。

横から見るとこんな感じ。

また、ピカピカ光らせる気もなく、地味で質実剛健さが逆に良い感じでした。
スペックは次の通りです。
マザーボード | MEG X570 UNIFY |
CPU | Ryzen 7 3700X |
メインメモリ | DDR4 3200Mhz(PC4-25600) 64GB |
ディスク | SN750 2TB NVMe |
ケース | ミドルタワー ATX対応 |
グラフィック | NVIDIA GeForce GTX 1650 4GB GDDR6 |
光学ドライブ | ブルーレイドライブ 1機 |
電源 | 650W ATX電源 |
なお、メモリは最初32GBで構成しましたが、Amazonセールで安くなっていた32GBメモリをさらに足しました。スロットが空いてたんだから仕方ない。
構成パーツ
具体的には、下記のパーツを購入して組み立てました。
PCケース
▶ Cooler Master MasterBox E500L Silver ミドルタワー型PCケース CS7332 MCB-E500L-KA5N-S02
冷却性能が良い、ATXマザーボードが使える、コスパが良い、という3点で選びました。
側面が透明なのはいらないなーと思いましたが、異常がある場合にパッとランプが確認できて便利ですね。
マザーボード
▶ MSI MEG X570 UNIFY マザーボード AMD X570チップセット搭載 MB4869
Ryzen 7が使えること、長く使えるように最新であること、Wi-Fi 6対応を基準に選びました。
ちょっと高すぎるかな…という気持ちもありましたし、初期不良で交換にもなりましたが、結果的には非常に安定していて正解だなと感じます。
また、このマザーボードはNVMeのヒートシンクが標準装備でした。それをヒートシンク付きM.2 SSDドライブを買ってから、ようやく気づきました。
そこは今回のパーツ選びにおける、匠の失敗の一つでした(汗
CPU
今回のパーツ選びの基軸になったCPUです。
最上位パーツではありませんが、Ryzen 7中で最高のコストパフォーマンスを誇り、TDPがシリーズで最低の65Wなのが決め手でした。
実際のところ、8コア16スレッドで3.6GHzもあれば、そうそう困ることはありません。
メインメモリ
▶ Crucial PC4-25600 (DDR4-3200)288pin UDIMM 32GB(16GB×2枚) Ballistix Black BL2K16G32C16U4B
32GBメモリでヒートシンク付き、かつ最高速のメモリを選択したつもりです。
ただ、後述しましたが、3ヶ月後には劇的にメモリの値段が下がってしまったので、タイミング的には最悪だった気がしますが…
内蔵SSD (NVMe M.2)
▶ Western Digital WD Black 内蔵SSD M.2-2280 ヒートシンク搭載モデル SN750 2TB NVMe 5年保証 WDS200T3XHC-EC
通常使いで最も高速性を体感できるモデルを選択したつもりです。
マザーボードに標準装備だったので、ヒートシンク搭載モデルである必要はありませんでしたが、体感速度は抜群だと感じています。
電源ボックス
▶ 玄人志向 STANDARDシリーズ 80 PLUS Silver 650W ATX電源 KRPW-AK650W/88+
消費電力と静音性を優先して選びました。
CPUの消費電力が低いのもあり、これくらいでもオーバースペックかなと思うくらいです。
プラグイン式を選べば良かったかなと最初は思いましたが、旧PCで使っていたHDD 3本をバックアップ用に再利用して接続したりして、結局はフルフル使っているので結果オーライですね。
フルフル使っていますが、電源としてはかなり安定していて、なおかつ音が静かです。
グラフィックボード
▶ ZOTAC GeForce GTX 1650 OC グラフィックスボード ZT-T16520F-10L VD7269
ゲームをあまりしないのですが、今回は動画編集も要件にいれていたので少しは性能が必要でした。
そのため、極力低いTDP かつ 高コスパ、それなりの性能が必要ということで選びました。
正直言うとRTX系が欲しいところではありますが、RTX voice も裏技で使えるので十分だと感じています。
同レベルのTDPのRTX系ビデオカードが出たら、そちらに買い替えるかなとは思いますが。
光学ドライブ
▶ Logitec HLDS製 内蔵ブルーレイドライブ 1年保証付き LBD-BH16NS58BK
こちらは単純にブルーレイでライブDVDを見たくて購入しました。
使用頻度を考えると、ブルーレイドライブは外付けにして、マルチメディアドライブにしても良かったかなとは思います。
組み立て後、状況を見てさらに下記を追加しました。
CPUクーラー
▶ Thermaltake Contac Silent 12 サイドフロー型CPUクーラー 「AMD AM4 対応」 FN1072 CL-P039-AL12BL-A
Ryzenの標準品でも冷却性能は充分ですが、けっこう煩いなという印象でした。
以前購入したデスクトップPCは ThinkCentre M93z でした。

メモリ16GB、SSD1TBに換装していたので、そこまで悪い性能ではありませんでした。
しかし、今回は大金をはたいて自作しなおしていますから、それなりにパフォーマンスを見せてくれないと困る!と思ったりしてました。
実際には、かなりOSやアプリケーションの起動などの動作がキビキビするようになったと感じています。
ただ、客観的にわかる指標が欲しいよね、と言うことでベンチマークを行いました。
ベンチマーク結果は?
Cinebench
まずは皆大好きCinebenchで計測してみました。


ご覧いただくと分かる通り、5~6倍の性能値を示しています。
コア数も大幅にアップしている上に、TDPも84Wから65Wに下がっているので、アップグレードに大成功!という結果と言えます。
CrystalDiskMark
次にディスク単体でのベンチマークには CrystalDiskでの結果はコチラ。


ディスク単体で見ると意外な結果です。
書き込みは旧デスクトップのSSDの方がほとんど高い性能を示しています。
しかし、読み込みは圧倒的にNVMe M.2を使用した新デスクトップの方が高い値をしています。
この辺はタイミング問題もあるかもしれないので一概には言えませんが、使用方法によってはSSDドライブの方が良いのかも知れませんね。
動画変換
最後に使用していた動画編集ソフトウェア(PowerDirector)での動画出力時間を比べてみました。


同じ動画編集ファイルで、同じ条件の出力で三分の一に近い処理時間で完了できました。
つまり、約3倍の性能アップを確認することができたわけです。
動画の出力は非常に時間のかかる処理ですから、作業効率に直結します。
そのため、ここが大きく改善できたのは大満足なところですね!
体感は?
かなりサクサク動作するようにになりました。
これは何かと表現が難しいところですから、いくつかサクサク感が分かる例を提供したいと思います
OSやアプリケーションの起動で待つ事はなく、すぐに起動することができます。
ログオン直後のスタートアップにアプリケーションを大量登録していますが、だいたい1分以内に落ち着くのは有り難いところです。
なにより、常時20タブ以上をブラウザで開いていることが多いのですが、パフォーマンス劣化を引き起こすことなく問題なく使えています。例えば、こんな感じで同時起動挿せていますが、常に違和感無く高速動作できます。
- Microsoft Edge (20タブ以上、3ウインドウ程度)
- Vivaldi(ブログ操作)
- Gimp(画像レタッチ)
- eM Client(メーラー)
- VoiceMeeter(ソフトウェアミキサー)
- Station(TweetDeck&Slack閲覧)
- TheDesk(Mastodon閲覧)
- VLC(YouTube動画閲覧)
- PowerDirector(動画編集) など
リソース不足で何か異常終了したり、ということがまずありません。
期待通りに安定動作を実現して、高い作業効率に貢献してくれています。
電気代はどうなる?
一般家庭における消費電力はバカになりません。
そこで、手持ちのワットモニター「サンワサプライ ワットモニター TAP-TST8N」で計測してみました。環境再構築してブンブン回していた期間を含めた2週間程度なので、ちょっと多めだと解釈してください。

平均消費電力 | 10.83kWh |
電力料金(想定) | 41.12円/日(約1,250円/月) |
毎日PCを起動すればという費用計算なので実際は…と言いたいところですが、このコロナ禍で毎日パソコンを使用しています。
そんなわけで、自宅の電気代の5~10%くらいはデスクトップパソコンが使用している状態と言うことがわかりました。これがもっと消費電力の多いパーツだとしたら…ゾッとしますね(汗
自作PCで楽しく効率アップ!
今回、7年ぶりにデスクトップパソコンを買い換えました。
また、かなり久々に自作PCを組んだわけですが、パーツ選びから組み立てまで、非常に楽しく取り組むことができました。
自作PCに買い換えた結果、その動作は非常に安定して良好に利用できています。また、動画編集やHyper-Vを使った検証作業などでパワー不足を感じることはありません。
今なら性能の良いパーツがかなり値下がりしていますし、またコロナウィルスの関係で自宅作業をする機会も増えているでしょうから、そちらにも貢献してくれることでしょう。
もし今、自宅PCを買い替えようと思っている方は、ぜひ自作PCを組むことにチャレンジしてみてはいかがでしょうか。
最後まで読んでいただき、誠にありがとうございました。