OctoPrintで3Dプリンタを管理したいけど、Raspberry Piが手に入らない!
手待ちの機材でなんとかOctoPrintを制作できないか?
OctoPrint for Androidってホントに使えるの?
こういう悩みを解決する記事です。
2022年は半導体価格の急騰で、Raspberry Pi系製品の高騰が激化してます。OctoPrintを制作したくても、Raspberry Piが手に入らず、手が出ないということがありますよね。
ガジェット&3Dプリンタ大好き いつもの匠です。
こういうときに保有している余剰スマートフォンを使って、3Dプリンタの管理に役立ています。
手持ちのスマートフォンを活用して、なんとかOctoPrintが作れないか試行錯誤しました。その結果、OctoPrint for Androidこと octo4a にたどり着きました。
GitHub – feelfreelinux/octo4a: Use your old Android device as an OctoPrint server.
この記事では筆者が実際にocto4aの実践結果と注意事項、格安で構築する方法を紹介します。この記事さえ読めば、読者の皆様がRaspberry Piの価格高騰に悩まされずに、OctoPrintを作れます。
3Dプリンタユーザーの皆様が、一人でも楽しい3Dプリンタ生活を送られることを願ってやみません。
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Octo4aを知る
Octo4aとは、先にも紹介した「Run OctoPrint on Android(AndroidでOctPrintを動かす)」を標榜したオープンソースソフトウェア(OSS)です。
GitHub – feelfreelinux/octo4a: Use your old Android device as an OctoPrint server.
このソフトウェアはサードパーティアプリ(apkファイル)のインストールを、Android上で許可する必要があります。一度インストールさえしてしまえば、バックグラウンドアプリとしてAndroid上で起動しておけます。
Octo4aには以下の特徴があり、Raspberry Pi版OctoPrintと遜色ありません。
- Android起動時に自動起動
- SSH接続が可能
- OctoPrintプラグインをインストール可能
- スマートフォンの高性能なカメラ機能が使える
- 搭載バッテリーが簡易UPSになる
むしろ、Raspberry Pi版OctoPrintよりも優れた部分がある魅力的なバリエーションになっています。
Linuxを知らなくても扱えるのもいいよね!
Octo4aに必要な機材
今回Octo4aを構築するにあたり、以下の機材を用意しました。
今回使用したスマートフォンはこちらです。単純に機材費用が一番安価でした。
スマートフォンには、3Dプリンタ接続するUSBケーブルと電源供給するケーブルが別に必要です。そのままでは分波できないため、下記のような特殊なアダプターを用意する必要があります。
筆者の場合、変換アダプタから3Dプリンタを接続するUSBケーブルは、あらかじめ保有していたUSB Type-A to プリンターケーブルを使用しました。
元々持ってる機材で済んでラッキー!
今回初めてOcto4aを作る方は、以下のケーブルを選択した方が無難です。
接続したスマートフォン(Octo4a)を使用してカメラ撮影を行うのであれば、カメラスタンドで固定しておく必要があります。筆者の場合は、あらかじめ保有していた下記の三脚で近くの柱に固定しまいた。
Octo4aで搭載カメラを使うのは、ストリーミング監視やタイムラプス撮影が大きなメリットだからです。特にストリーミング監視ができれば、異常発生時にいち早く停止することができて便利です。ぜひ三脚などで固定してチャレンジしてみましょう。
背の低いスタンドだと撮影できないことがあって注意だね
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Octo4aを使ってみた
実際にOcto4aを使って、どれくらい本番利用できるかを調査しました。
インストールから初期設定の詳しい手順は、以下の動画をご視聴ください。
インストール
まずAndroidスマートフォンで、以下のページから最新のOcto4aパッケージ(apk形式)をダウンロードします。
Releases · feelfreelinux/octo4a · GitHub
このapkファイルを開いてインストールをしてください。
このときにサードパーティアプリ(apk)をインストールできるよう、Androidの設定を変更しておく必要があります。この手順は省略しますので、ご存じない方は検索してください。
接続と初期設定
次の写真のようにケーブルをAndroidスマートフォンに接続した状態で、Octo4aアプリを起動します。
初回起動時は次のようなダイアログが表示され、Andoid起動時に常に一緒に起動するかを問われます。Octo4a専用機としてAndroidスマートフォンを使うなら、ぜひ有効にしましょう。
あとはアプリの画面に表示されるURLに、別のスマートフォンやパソコンから接続するだけです。
例えばiPhoneで接続してみたり、Octo4aで使っているAndroidスマートフォン自体で接続した様子は以下の写真です。
あとは普通のOctoPrintと同じですから、通常と同じように以下の初期設定を行いましょう。英語が苦手な方は、素直にブラウザの翻訳を機能を使った方が良いですね。
- OctoPrintの初期設定
- 3Dプリンタのプロファイルを設定する
- カメラなど設定する
- 必要なプラグインのインストール
初めて使用する方は、下記の記事も参考にしてください。
出力
Octo4aを実装したので、実際に出力してみました。
GコードをWebコンソールから、Octo4aへアップロードして出力してみました。
特に違和感を感じることなく、Raspberry Pi版OctoPrintと変わらずに使用できました。
別の3Dデータを出力する様子をカメラで監視してみました。
うーん、ラズパイで作るより、ストリーミングの滑らかさかスゴい!1080pで50fps出てるらしい。
— いつもの匠 @ 3Dプリンタ&ガジェット大好きITエンジニア兼Appleマニアなグルドン民 (@itsumonotakumi) May 21, 2022
ラズパイよりスマホの方がパフォーマンスが出るってこと?これ、1円スマホだよ?😅 pic.twitter.com/z8qdWHepqh
とてもスムーズなストリーミング動画が見られることにビックリします。WebカメラやRaspberry Pi専用カメラよりも、かなりキレイに撮影できて驚愕するクオリティです。
タイムラプス撮影
ここまで順調に使用できていたので、高負荷がかかるタイムラプス撮影も試してみました。
解像度 | 1920px x 1080px (1080p) |
フレームレート | 60fps |
コーデック | H.264 |
この設定でタイムラプス撮影した結果がこちらです。
OctoPrint for Androidでタイムラプスもキレイに撮影することができました。
— いつもの匠 @ 3Dプリンタ&ガジェット大好きITエンジニア兼Appleマニアなグルドン民 (@itsumonotakumi) May 22, 2022
なんだこれ、ラズパイで作るよりも簡単で安価でめちゃくちゃ良いですね!
長期的に使って安定性をみてみますが、熱にも強いし、これは素晴らしいソリューションかもしれません! pic.twitter.com/zDhnYYxuEI
タイムラプス動画を最大化して見てみると、その画質のキレイさにビックリしました。
4Kタイムラプス撮影
4K撮影ができるAndroidスマートフォン「OPPO Reno4a」を使用して、4Kタイムラプス撮影にもチャレンジしてみました。その結果がこちら。
カメラ性能の不足によって少し荒さが出てしまっていますが、4K撮影ができてしまいました。
Xperiaなどのカメラ性能が高いAndroidスマートフォンを使用すれば、もっと品質の高い4Kタイムラプス撮影は十分可能ですね。
こんなに手軽にできてしまって、今までの匠の苦労はいったい……
ちなみに、OctoPrintとミラーレス一眼(SONY α6400)で撮影した4Kタイムラプス動画はこちら。ぜひ比較してみてください。
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Octo4aの注意点
Oct4aを実際に使って分かった注意点は以下の4点です。
給電
先にもお伝えしましたが、3Dプリンタからスマートフォンに給電できません。それを確認せずに出力を初めて、バッテリーが無くなって出力が停止してしまいました。
スマートフォンには以下の両方を接続する必要があります。
- 給電するためのUSBケーブル
- 3Dプリンタへ接続するためのケーブル
そのため、分配ケーブルもしくはUSBハブなどを使って、分配させて使用する必要があります。
スマートフォンのスペック
意外かもしれませんが、OctoPrintは高スペックなハードウェアを要求するソフトウェアです。経験上、特に負荷が高いのは以下2つの機能です。
- 動作監視のカメラ撮影とストリーミング
- タイムラプス撮影した画像のレンダリング
Octo4aの具体的な要求仕様や推奨機種は、公式ページに挙げられていません。古いスマートフォンで動作が不安定になるの、上記2つの機能をオフにしてみましょう。
廃熱
スマートフォンの機種によっては、廃熱がうまくできずに熱暴走する機種があるかもしれません。そのため、扇風機などで冷やしながら使用する必要があることも想定しておきましょう。
筆者が使っているZTE Libero 5G Ⅱは熱暴走しなかったです。最新機種は優秀ですから、最近の機種を使った方が良いのかもしれません。
エンクロージャー(囲い)の中で撮影させたんだけどね
実績
Octo4aを使用している実績がまだ少なく、2021年3月から開始した若いプロジェクトです。日本での実績など筆者は聞いたことがありません。他のアプリとの相性、電話がかかってきたときの影響など、まだまだ分からないことが多くあります。
安定性を重視するなら、高価であってもRaspberry Piを選ぶ方が無難です。
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格安でOcto4aを作る方法
Octo4aはAndroidスマートフォンとUSBケーブルさえ手に入れば、Raspberry Pi4よりも格安で構築できるOctoPrintです。つまり、Androidスマートフォンですぐに作れることが魅力です。
もしまだAndroidスマートフォンをお持ちでない方は、安価に新品を手に入れるか、中古で安価にゲットすると良いでしょう。
新品を手に入れる場合、ワイモバイルで購入して2〜3ヶ月後に回線を解約するという方法をとれば、Raspberry Piを購入する安価に構築できます。筆者も以下からのスマホを手に入れて、Octo4aを構築しました。
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ただし、購入してすぐに解約するとペナルティが発生する可能性があるため、注意しましょう。
また、中古で購入する場合でも、不良品をつかまないようにイオシスで購入することをオススメします。イオシスなら3ヶ月保証が付いているので、安心して中古品が購入できます。
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Octo4aで皆様の3Dプリンタ生活が、より楽しいものになることを願ってやみません。
最後までお読みいただきまして、誠にありがとうございました。