ScanSnapをキチンと使えていますか?
それとも購入を検討するされているのでしょうか?
この記事を執筆した匠は、家族で「自炊」生活を始めて早9年になります。(この記事の執筆は2017年)
ここでいう自炊とは、自宅の紙を極力無くすペーパーレスのことを指します。
これを何年も実行し続けてボロボロですが、我が家のScanSnapは今でも現役です。

独身の時期から家族が増える時期を経る中で、ここまで長く続けるには何個もポイントがありました。
この10年以上の自炊経験を踏まえて、この記事では自炊を長続きさせるコツと自炊で高い効果を出すコツについてご紹介します。
2021年にScanSnap iX1600に買い替えました。詳しい内容はこちらの記事をご覧下さい。
完全な「自炊」とは
ここで言う「自炊」は、紙媒体のものを自宅でデータ化することを指します。スキャナでもカメラでも、データ化する仕組みは問いません。
これが"完全"な「自炊」となると、もちうる紙媒体をすべてデータ化して、すべて廃棄していくことを指します。
いわゆる「ペーパーレス」というヤツです。2000年代にオフィスで流行ったりましたが、自宅でも十分にできる時代となりましたね。
匠は、実際にこの後者の"完全"な「自炊」 を実現しています。
この完全な「自炊」の要(かなめ)となる機材はこちらです。このページに辿り着く方は既にご存知だと思いますが。

もう少し安価な以下のモデルでも良いはずです。

完全な「自炊」生活のメリット
保管場所が不要

単純な話、紙面での物理的な保管が不要になります。
これまで確保していた場所をポッカリ空けられます。最も影響が大きい本棚をはじめ、デスク、トレイ、押し入れ えとせとら。。。当然ですが、物理的に保管するモノが無くなれば、保管する機材自体も不要になるわけです。
もちろんこれは徹底する度合いにも寄りますが、少なくとも匠の家から本棚はなくなりました。
狭い我が家にピッタリなメリットというわけでした。狭いのは都会のせいですが…
携帯性が大幅アップ

自炊したデータ(以下、文書)は、その保管先を工夫することによって、いつでもどこでも見ることができるようになります。
まず文書の参照には、いまどきスマートフォンもしくはタブレット端末は必須。むしろ、それらがあれば文書をいつでもどこでも携帯できることが最大のメリットになります。
例えば、パソコンと ScanSnap で文書をPDF形式で自炊した後、iTunes経由でスマホのPDFを閲覧するためのアプリに保管すれば、いつも閲覧できます。無料のドキュメント管理アプリでも良いのですが、いろいろと書き込みをしたい時も多いので、匠はこちらを活用しています。
また、一枚ペラのプリントやチラシなどのちょっとした紙媒体なら、下記のアプリを使って手軽にPDF化することもできます。スマホでの自炊は、数枚だけなら非常に手軽です。また、無料アプリでも良いですが、歪み補正などの機能が充実しているこちらを使う方が、結果として手間が少なく済むとの結論に至りました。
▶ CamScanner- スキャン、PDF 変換、翻訳 カメラ
加えて、散らばりやすいレシートは、店員さんから貰ってすぐにZaimでスキャンして捨てています。コンビニのレジ横とかでパシャっとやって、レシート入れにポイ。これも手軽で便利です。
次に、保存先については、先程のように、パソコンを母艦として毎回ケーブル接続して必要な文書をスマートフォンに転送するのも良いですが、ちょっと手間がかかってしまいます。
そこでオススメは、オンラインストレージサービスを利用することです。
自炊した文書をオンラインストレージサービスに保管しさえすれば、スマートフォンだろうが、タブレット端末だろうが、パソコンだろうが、デバイスに依存すること無く、オンラインストレージサービスの対応アプリがあれば文書を読むことができるからです。もう今時オンラインストレージサービスなんて、普通になってしまいましたしね。
選択肢としてはたくさんあって、iCloud Drive、Dropox、OneDrive、Box、SugarSync えとせとら。どれを使っても一長一短ありますし、容量も限りがあるのですが、正直どれでも良いです。
ちなみに、匠は 有償サービスを契約している Dropbox を利用しています。変更履歴が全部残っていて、間違って消したファイルを簡単に元に戻したりできますからね。
こうしてオンラインストレージサービスと携帯端末(スマートフォンやタブレット端末)を使って文書を見る生活に慣れると、特に最も便利に思うのは書籍です。重いハードカバーの書籍であっても、データにしてしまえば持ち運びだって楽勝です。そして、ふっと必要になったとき、あるいは読みたくなったときにすぐ読める、隙間時間の活用といった点にピッタリで、その利便性の高さは圧倒的です。もうそれは依存症状さえ出るレベル!
取捨選択に悩まない

完全な「自炊」生活では、自炊して捨てることが基本の行動となります。
そのため、「これはいるかも。。。」とか「捨てて良いのか悪いのか分からない」なんて思いはしません。そして、その思いで悩んで部屋が散らかることはなくなります。
たとえば、捨てることを前提に考えるわけですから、雑誌や郵便物などの長期に保管する必要がない文書はさっさと自炊して捨てます。残すことも場所も考えません。一度見て自炊して捨てる。さっさと捨てます。
そうすると、残す文書を何にするかということだけを考えておけばよく、その類の文書は生活の中でごくわずかです。
慣れないうちは残したくなるかもしれませんが、「これは必要ならスマホで見せれば良いのではないか」「これは必要になったら印刷しても代用できるのでは無いか」といった問いかけを自分にするだけで答えは自明になります。ほぼ、全て捨てられます。
この考えが習慣になると、かなり楽です。よほど貴重な資料や文書でない限り、迷うことは無くなりますし、部屋が散らからなくなります。気持ちも部屋もキレイになるんです!
完全な「自炊」生活のコツ
ここからは、実際に「自炊」生活を実現する、あるいは継続するためのコツを紹介していきます。
スキャンのコツ
スキャンする範囲

スキャンする対象ですが、下記のパターンの他にはほとんどありません。
- 一枚以上の片面を読み取る(カラー、白黒)
- 一枚以上の両面を読み取る(カラー、白黒)
- 表紙(カラー)と内容ページ(白黒)を読み取る
- 表紙(カラー)とカラーページ、内容ページ(白黒)を読み取る
基本的には、白黒でのスキャンを中心にするとデータサイズがおさえられて良いです。カラーページがある場合には、別にスキャンして、後で結合した方が文書サイズがかなり減らすことができます。
ちなみに、書籍の場合、どこまでスキャンするかは最初のうちは迷いますが、自分が残したい範囲だけスキャンすれば良いと思います。匠は、どうせあまり見ないので、表紙と内容のほかはスキャンしないことにしています。特にマンガ。
裁断のコツ

書籍の場合は、裁断して背表紙を切り落としておく必要があります。
このとき、書籍の内容(コマ割りなど)を見て、<strongどの位置で裁断すべきかを確認した方が良いです。
匠の経験上、マンガやハードカバーの書籍は背表紙から1cmくらい、ソフトカバーや小説などの薄めの本なら5mmくらい、雑誌なら思い切って1.5~2cmくらいの位置で切り落とすと良いと考えています。
なぜこのように背表紙から多く離すべきかというと、背表紙からギリギリの位置で切り落とした場合だとページとページがノリでくっついたままになる可能性が多々あります。そのままスキャンしようとすると、詰まったり、複数枚を家引致してやり直しになったり、と効率が悪くなります。
また、ページサイズが小さければ小さいほど文書の保存に必要なデータ量も少なくなります。
そのため、広めの位置で背表紙は切り落とすことをオススメします。
機材の効率を上げるコツ

スキャンする機材の失敗率を下げて効率を上げるコツはメンテナンスです。
たかが掃除、されど掃除。意外と効率に大きく影響します。特に、この完全な「自炊」生活の肝となる ScanSnap は、長く使っているとオートシートフィーダの調子が悪くなってきます。
調子が悪くなると、数枚イッキに読み込もうとして止まったり、そもそも読み込まなかったり。。。手差しと変わらない手間がかかってしまったりします。ScanSnap 自体もサボるとこんな感じにボロボロになってしまいます。

内部のローラーなんかは、こんな感じで消耗の大きさが分かります。

これが一枚二枚なら苦にもなりませんが、数が増えるともう馬鹿にはできません。書籍のように何百枚もスキャンする時のストレスとタイムロスと言ったら、、、お察しいただけますでしょうか😫
そういうわけで、こまめに機材 / ScanSnap のメンテナンスするのが最良です。
ちなみに、最近まで詳しく知らなかったのですが、ScanSnap のメンテナンスについて発売元のPFUでは下記のような情報が公開されています。
匠の持つ機種とは異なりますが、非常に参考になりました。実際に部品の取り換えと掃除は効果テキメンで、メンテナンス後はうそのように紙を一枚一枚読み込んでくれるようになりました。もっと早く知りたかった。。。
ちなみに、一年ごとに部品を取り替えるか掃除をした方が良いそうですね。こちらを慌て購入したら、途端に調子が良くなりました。


ただ、メンテナンス用品の費用が高い!と一瞬は思いました。しかし、よく考えたらメンテナンス不足による作業時間のロスに加え、そこにかかるストレスを考えると、むしろ安いのくかな、と考え直しました。使うのも1回だけではないですからね。
一方、裁断機については、11年継続した今時点ではあまり取り立てたメンテナンスの必要性を感じていません。たぶん、裁断機のメンテナンスもした方が良さそうですが、匠の利用頻度だと切れ味はあまり落ちてないです。もっと本業でやられる方はキチンとメンテナンスした方が良いんでしょうけどね。
継続のコツ
とにかく「捨てる!」

思い切りよく捨てましょう。
とにかく捨てろ!
この思い切りの良さが最重要と認識してください。
慣れるまではポンポン捨てるのに抵抗感が出てしまうことがあります。我が家では、妻がそうでした。
「もしかしたら使うかも。。。」
「必要になるかも。。。」
これが危険です。片付かない人の常套句。断捨離の敵。
必ず「必要ならプリントアウトしたら良くない?」と思い直すのが良いです。
最近はカラープリントも発達してますし、意外とスキャンした書面を必要に応じてプリントアウトすれば済んでしまうことが多いです。あるいは、スキャンした結果をスマホやタブレットで見るor見せるだけで、物事が済むケースがほとんどですよね。紙面で必要になることなんか極まれですから、安心して捨てましょう!
ただし、分別は忘れずに。
不要な書籍は可能な限りリサイクルに出してますが、それ以外は裁断して棄ててます。もう少しリサイクルしやすくなるとよいのですが。。。
残す「紙」を決める

残す「紙」だけを決めるのも重要です。
基準をあらかじめておいて、判断が簡単になれば、それ以外は思い切りよく捨てられるようになりますからね。我が家の場合は、下記の通りに設定しています。基本的には、自炊した文書を再印刷しても使えないモノ、価値がないものになりますね。
- パスポートや年金手帳などの貴重品
- 確定申告に必要な証跡書類
- 別途プリントアウトでは代用できない文書
- 二度と手に入らない趣味の書籍など
家庭の事情や価値観によって異なりますから一概には言いにくいですが、基本的にはこれ以外の「紙」は捨てます。もちろん書籍や雑誌も対象です。公共料金の明細や給料明細、健康診断の結果だって、スキャンしたら捨てます。不要な広告なんかはスキャンさえせずに捨てます。
捨てるのに抵抗感が強い家庭では、基準を緩めにした方が良いかもしれません。また、判断がつかない文書は猶予期間を作っても良いかもしれません。無理はしない方向で。
「スキャン待ち」場所を作る

スキャン作業は毎日できるものではありません。特に、書籍などは時間がかかるので、日を決めてイッキにやってしまったりします。
そのためには、一時的な居場所としてスキャン待ちトレーを作るのがポイントです。このポイントは片付け全般のコツになるんですが、スキャン待ち文書の居場所を作ることで、部屋が汚れたりするのを防げます。
我が家で使ってるトレーは下記のキチンとしたもので、「匠」「嫁」「子供」の3種類でトレーを作って運用してます。

最初は100円ショップのトレーを買って重ねてましたが、少し小さかったり、ラベリングできなくて入れ違えたり。あと、開放タイプのトレーだとハミ出た部分が汚かったりして、部屋がキレイになりにくかったりしますね。ここら辺は個人の好きずきがあると思います。
また、トレーは1つでは少ないですが、あまり細かい分類にすると考えることが増えて面倒になるので、我が家は人別にしております。この人別の分類が、ちゃんと対応する人という意味合いを持っています。「子供」分は匠が対応するわけですが。。。
もし居場所がなければ、スキャン待ちの書類や書籍が部屋に散乱して、心も部屋も汚れてきて、結果として長続きしにくくなります。部屋の片付けが苦手な人なんか特にそうみたいです。いわゆる「割れ窓理論」というやつです。知らない人はググってみることをオススメします。
徹底してはいけない

最初から徹底するのは無理と考えておくことが一番重要じゃ無いかなと思います。
「徹底できないのは仕方ない。徹底しなくて良いようにどうするか」と緩めに考えましょう。フォローの方法もあらかじめ考えてくのがポイントです。
例えば「毎日定期的に絶対やらないと!」なんてのは、すぐに破綻しますから絶対ムリです。「できなかった分は週末にキャッチアップする」「できない週は嫁にフォローしてもらう(お菓子と引き換えに。。。)」といった緩く案を考えると良いです。
また、できなかったからと言って無理やり強制するのも、悲観的になるのもNGです。「たかが紙」ですから、できなかったらどこかで補えばいいだけです。
最悪、気が向くまで「残す」「スキャンしない」のもアリです。最低ラインをそこに置けば気持ちが軽くなります。気持ちが乗ったときにスキャン!それ以外は放っておいてもいいやーくらいの緩さが長続きの秘訣かもしれません。
おわりに
ルールを決めて、ゆるく実行できさえすれば、神経質にならなくても実現できるのが完全な「自炊」生活です。
この記事を書いた時点で、独身時代含め9年以上も継続できた、ズボラな匠が言うんだから間違いありません。
ちなみに、スキャンしたデータでお金をもうけようとすると法律に引っかかる可能性大です。
絶対にスキャンしたデータを販売しないようにしましょう。
あともう一点、ScanSnapはその高価さが最大のネックです。
その欠点を克服するために、下記の記事で少しでも安く買う方法を公開しています。
この記事を読んだ皆さんが、幸せな自炊ライフを送れますように。
最後までお読みいただきまして、誠にありがとうございました。