自宅のデスクトップPCがある部屋にはクーラーがありません。
そのため、リビングなどに持ち運んで快適に使える2番手のノートパソコンが欲しくなりました。

しかし、そんなに高価なものを揃えるのはなんだか本末転倒で、悩みました。
そこでふと、中古のノートパソコンで Linux を使えば安く済む という学生時代に何度もトライして苦労したことを思い出しました。
ちなみに、こちらの記事のような IT技術者の仕事PCの話ではありません。

しかし、プライベートのPCでも通ずるものがあるなと思いまして、ふと記事にしてみることにしました。
Ubuntuだ Linuxだと言っても、所詮はパソコンですからこんな感じでキレイなデスクトップで、マウスを使って操作できるので楽勝です。

いろいろ試した残骸が。。。
同じように安いノートパソコンが欲しい方の役に立てば幸いです。
この記事の前提
この記事では、Ubuntu / Linux が何たるかという説明はしません。
そんなことは知らなくても使えますし、必要になってから調べても事足ります。
興味があれば、下記を見れば良いと思いますが、実用にはなんの影響もありません。
また、今となってはUbuntu / Linux は難しいという認識は誤解です。
今どきはそんなに難しくなくて、用途には充分事足ります。ぜひ試した方が良いです。
Ubuntu / Linux を自宅利用するの適している人

こういう人は向いています。この記事の対象となる読者と考えてください。
- わからなかったら、とりあえずググって解決できる
- パソコンなどで、メーカーのサポートに問い合わせたことがない
- やりたいことができれば道具は何でも良い
- 高価なパソコンは欲しくない
- Windows や Mac にこだわりはない
迷うくらいなら、はじめてから判断しても遅くありません。
なぜなら、安く済むので合わないときのダメージが少なくすむからです。
Ubuntu で利用するのに適しているパソコンは?
贅沢言わないものの、下記のスペックくらいは満たしているのが良いです。
- CPU: Core i3 以上
- メモリ: 4GB以上
- ハードディスク: 64GB以上の容量(SSDであれば良いですが後述します)
だいたい 2〜5万円くらいが相場でしょうか。
例えば、下記のように中古で出ているPCは狙いめです。
匠は Lenovo のトラックポイントが好きなので、また選べるなら ThinkPad Xシリーズの中古を狙いますね。
最近は、下記のように安くなってる大容量SSDに換装するのがオススメ。

メモリを換装したり、バッテリーを新品に替えたりしても、全体の金額としては知れてますね。
匠の場合は、こんな感じで済みました。総額3万円ちょい。
- ThinkPad X260 (中古: 2万円)
- SSD 1TB (セールで1万円)
この記事に合わない人

そもそも、この記事ではこういう人は対象ではありません。
- Linuxでバリバリ開発できる/開発したい人
- 昔からLinuxであれこれシステムを作ってきた人
- Windows や Mac の名前がつかないと不安な人
- 何かあったら企業のサポート窓口に電話したい人
- 何でもかんでも Ubuntu / Linux でやりたい人
あくまで今回は Ubuntu / Linux でやれる範囲で簡単に使うのが目的です。
不得意なこと、できないことを Ubuntu / Linux で克服するのは目的ではありません。
めんどくさい、不得意なことは、iPad やスマートフォン、あるいはWindows や Mac など、素直に別の端末を使い分けた方が無難です。
時間が節約できますからね。
Ubuntu / Linux を自宅利用するメリット
ライセンス無料

何はともあれOSのライセンス料が無料だと言う点は最大のメリットです。
Windows も Mac は有料です。Windows は中古パソコンにインストールするにも数万円かかりますし、Mac はOS単品では購入できません。
そんなわけで、Ubuntu / Linux が無料なのは、けっこう費用的に大きいメリットと言えます。
低スペックパソコンを再利用できる

使い方にもよりますが、比較的スペックの低いパソコンを再利用できることができます。
Windows や Mac だとあまりバリエーションがありません。
そのため、高いスペックを求められがちですが、Linux には沢山種類があるのでスペックによっては異なる Linux を選ぶのも手です。それくらい選択の余地があります。

ただ、軽量なLinuxは色々なところがチープに作られていたり、Windows や Mac とは大きくかけ離れた作りになっていることが多いです。
そのため、利用するにはそれなりに技術的な知識がもとも得られてしまいます。
Linux系OSでは、一番 Ubuntu がデスクトップ用途に利用している人が多いと言われています。
そのため、情報が多く、デスクトップとしての作りがしっかりしています。
そのため、最初は Ubuntu を利用することを推奨している人が多いです。
なお、誤解しないでいただきたいのは、ウィンドウズでやっていたことと全く同じことを求めるのであれば、それなりのスペックが求められます。
例えば、動画編集などはやはり機材の高いスペックが求められますし、専用ソフトウェアの方が良かったりします。
あくまで、無料の範囲で、自宅利用するなら安く済むくらいにお考え下さい。
セキュリティの心配が少ない

よく言われますが、Windows に比べるとウイルス対策の必要が少ないと言えます。
これは、わざわざ Ubuntu / Linux のようなマイナーなOSを狙うよりも、Windows を狙う方がウイルス作者にとって対象が多くて成功率が高まるためです。
ただ、フィッシングメールやソーシャルエンジニアリングといった詐欺行為に引っかかる心配がないとは言えませんので、そこは注意が必要です。
また、マイナーですが、Linux をねらったウイルスや脆弱性攻撃もあります。
今後は IoT という名のものとに組み込みLinuxを狙ったウイルスが増える可能性があるので、安直にはいえません。
しかし、リスクは比較低いとは言えます。
あくまで、ウイルス対策のリスクが他より少し低いだけで、それなりにはセキュリティ対策を行う必要があるとご理解ください。
Ubuntuを自宅で利用する方法

自宅での利用用途は様々あると思いますが、その中でも代表的なものを挙げてみました。
Ubuntuインストール
まずは何はともあれ、こちらからインストールイメージをダウンロードします。
上記でダウンロードしたISOファイルは、CD-Rに焼いても良いです。あるいは、Windows パソコンで、下記のソフトウェアを使ってUSBメモリのインストールメディアを作るのも良いでしょう。
いろんなページで紹介されているので、この記事では事細かには紹介しませんが、こちらをご覧いただくのが良いと思います。



手順の画像を見ていただいたらわかる通り、ウィンドウズや他のOSのインストーラーと大差ありません。
昔のように、黒い画面ではわかりにくいと言う事は今のところなくなってきています。
そのため、ウィンドウズを自分でインストールしたことがある人はもちろん、そうでない人もあまり迷う事は無いはずです。
匠の場合、中古パソコンが故障していて、内蔵ディスクからは起動できないトラブルに遭っています。仕方なく、外付けハードディスクから起動するようにして利用しています。こういうようなリスクがある点は知っておくのが良いと思います。

ちなみに、ディスク交換してもダメ、BIOSのUEFI設定は問題なし、内蔵ディスクとマザーボードを接続するケーブルを交換しても改善せず、という状態でした。解決方法をご存知の方はぜひ教えて欲しいものです。
Ubuntu 初期設定
Ubuntuインストール後に、初期設定としてやるべきことは多くありません。
まずは何はともあれ、無線LANの接続しましょう。有線LANなら接続確認するくらいでしょうか。

次に、サービスプロバイダーのアカウントを登録することで、色々連携できます。

最近はどのOSでも同じですが、カレンダーなど様々な情報を連携しやすくなります。
これが終わったら、あとはOSやインストールされているソフトウェアのアップデートを実行することくらいです。これも他のOSとまったく同じですね。

このアップデート自体は放っておいても実施するように促されますので、それまで放置しておいても大丈夫です。
なお、マウスやキーボードは普通に認識しているはずです。
匠は ThinkPad キーボードが大好きでトラックポイントを使いますが、こちらもOSインストール直後から何も問題なく動作しました。
今はメーカーからドライバソフトウェアが出ていることが増えています。
それぐらい今の Ubuntu / Linuxは、普通のパソコンで支障なく使えるようにできています。
昔の微妙な頃とはまったく違います。OSSってホントにすごい!
用途別 Ubuntu の便利なアプリケーションい用途別 Ubuntu の便利なアプリケーション
あとは必要なアプリケーションをインストールしていくわけです。
そもそもインストール自体は、「Ubuntuソフトウェア」というアプリケーションからインストールできます。

こちらでは普通にパソコンを利用するにあたって、使い道別にアプリケーションを紹介します。
Webサイトを見たい
標準では、Firefox がインストールされています。

通常は、こちらで十分にインターネットを見る事が可能でしょう。
ただ、他OSで異なるブラウザを常用している人には、Google Chrome や Vivaldi といった他のブラウザを使うことも可能です。

今や、Google Apps など、様々なウェブサービスがブラウザを通して使えるたLinux版Google Chromeをはじめ、ほとんどはブラウザが使えれば事足りてしまうことが多いです。
それに、Google Chromeが使えるということで、不都合を感じないことが多いでしょう。
なお、入力フォームへの日本語入力なんかは、Mozcと言う入力IMEが搭載されています。

これは、Google が提供する Linux系OS 向けの IME です。
Google IMEのLinux版と言ったら分かる方もいるかもしれませんね。
他のOSのGoogle IMEとあまり変わりなく非常に使いやすいです。
辞書もしっかりしていて変換もキチんとやってくれますし、予測変換までやってくれます。
そのため、日本とあまり不都合を感じることがありません。
メールをやり取りしたい
プライベートだと電子メールでやり取りすることは減ったかと思いますが、それでも電子メールは必要なことが多々あります。
個人的には WebブラウザでGmailを使えれば困らないのですが、単体のアプリケーションとしてはThanderbirdという老舗のメールソフトが利用できます。

Ubuntu標準メールソフト「Thanderbird」
他にもOutlookに近い使い勝手の「Evolution」や、軽さがウリの「Sylpheed」なんかもあります。
ちなみに、ビジネス目的で利用するなら今はこちらが主流のようです。
本家Outlookには使い勝手が落ちる気がしますが、Exchangeサーバを利用できるのは良いですね!

SNSを使いたい
SNSを利用したいとなると、ほとんどGoogle Chrome や FireFox があれば全て利用できます。
なぜなら、どれもWebアプリケーションになっているからです。
例えば、Twitterならこんな感じ。

Facebookだと、こんな感じで利用できます。

LINE や Viber といったチャット系のSNSであっても、基本的にはWEBブラウザから利用できますので困りません。
そもそもですが、パソコンからSNSするよりスマホからやった方が楽じゃないですか?という話があります。
そのため、そんなに重視するところではないと思います。
お絵かきしたり、画像を加工したい
Ubuntu / Linux は、実はお絵描きや画像加工(レタッチ)が得意です。
それは老舗のペイントソフトウェア「Gimp」があるからです。

Photoshopと比べるにはあまりにも違い過ぎますが、一般人が自宅で利用するくらいの画像加工なら十分すぎます。
しかも、Windows版と比べると起動がかなり速いので、手軽に使えて良いです!
また、デジカメのRAWデータなんかを扱うなら「shotwell」といったアプリケーションもあります。

他にもレイアウトデザインや簡易なIllustratorとして利用できる「Inkscape」など、Ubuntuソフトウェアには大量に便利なソフトウェアが無料で公開されています。
電子書籍を読みたい
わざわざPCで読むより、タブレットやスマホで読んだ方がよいんじゃ?と思わなくはないのですが、これらもWEBブラウザが対応しています。

PDFなら「ドキュメントビューア」といったアプリケーションもあるので、まったく困ることなく読むことができます。
また、PDFやEPUB形式などの電子書籍ファイルを管理するツール「Calibre」もあって、十分に管理することができます。

ただ、個人的に入力を伴わない作業はタブレットの方が楽じゃないかなと思いますので、あくまである程度管理したいならということになります。
自宅で電子書籍を読む用途では、あんまりオススメしたいとは思いません。
MS-officeの文書を扱いたい
最近だと、読み書きする方法がいろいろと整備されています。
一番簡単なのはMS-Office互換をうたう「LibreOffice」を利用することです。


個人的に利用頻度の高い PowerPoint や Excel のファイルを読み書きするのに支障はありません。
先にご紹介した通り、Mozcがあるので日本語入力も快適で、文字化けもありませんでした。
ピボットテーブルで詳しい分析をしたり、BIアプリケーション的な使い方をしようとしたりしない限り、そんなに困ることはないですね。
これは、Office 365 や Google Apps を利用しても同じです。便利な世の中になりましたね。
音楽を聴きたい
これもPCで聞きたいかなという内容ではありますが、当然MP3プレーヤーも準備されています。
標準では「Rhythmbox」がそれに当たります。

ホントに便利なもので、MP3ファイルの再生だけでなく、Podcastやインターネットラジオの再生も簡単にできてしまいます。
しかも、日本の音楽データにも対応しています。
動画を見たい
動画も違和感なく見れます。
YouTube は WEBブラウザ で快適に見られるので、Ubuntuだということを忘れるくらいです。

MP4といった動画データは標準の動画プレーヤで見られますし、コーデックが不足している場合には Ubuntuソフトウェアからインストール可能です。

他のOSでもよく使われる動画プレーヤー「VLC」も、もちろん利用できます。

動画再生や編集のアプリケーションはたくさんあるので、その意味では困ることはありません。
しかし、動画を扱うには高いハードウェアのスペックが求められることは、他のOSと違いありません。そのため、今回の使い方に向いている使い方ではないと思います。
英会話をしたい
WEBブラウザベースの英会話サービスであれば、Google Chrome や FireFox に対応していれば問題なく利用できます。
WEBカメラだって利用できたりします。
レアジョブのように、Skypeを使用する英会話サービスだって利用可能です。

Skype は Microsoftのサービスになったはずですが、UbuntuやLinuxで利用できるのが良いですね!
ちなみに、翻訳サービスなんかは Google翻訳をはじめ、基本的にはWEBサービスが多いので、やはり困ることがありません。
ブログを書きたい
当ブログの記事は、最近は Ubuntu のノートパソコンで書くことが増えました。
記事本文の執筆はもちろん、画像加工ほかがすべて問題なく済みます。

iPad Pro で書いたりすることもあります。
しかし、タブレットだとドラッグタブレットだとドラッグアンドドロップができない・アンド・ドロップができない(やりにくい)という決定的な問題があって、WordPressの一部の設定ができなかったりします。
あと、iOSのIMEよりも Mozc の方が辞書が良く、変換効率が良いです。
そのため、記事を執筆するのに Ubuntu は使いやすいと感じます。
印刷したい
Ubuntu / Linux 向けにプリンタドライバは、意外と提供されています。
主なメーカーなら可能性があると言えます。
Ubuntuを自宅で利用する課題
先に述べた中で、いくつか不自由なところがあります。
印刷は苦手
プリンタドライバが提供されていたりはしますが、Windows や Mac ほど綿密なバリエーションで提供されていません。
しかも、関連アプリケーションは提供されていないので、自力で設定などをする必要があります。
そのため、年賀状印刷をはじめ、印刷が必要な作業は Windows や Mac の方が無難です。
Ubuntu / Linux にこだわるのは辞めましょう。
専用アプリケーションは提供されにくい
他のOSと違って、やはりメーカーからLinux向けにアプリケーションが提供されることは殆どありません。
Adobe社 Photoshop や Illustrator などといった有名アプリケーションを、なんとかUbuntuで利用しようとするのは無謀です。
そういった専門的なアプリケーションが必要な場合は、Windows や Mac のパソコンを素直に使ったほうが無難です。
通知が弱い
メーカーから提供されないということは、通知機能への対応が弱かったりします。
これはアプリケーションに寄りますが、SNSなんかは素直にスマートフォンを使った方が良いでしょう。
あくまで入力を楽にする目的で、Ubuntu / Linux のノートパソコンは利用しましょう。
セキュリティ対策が弱い
セキュリティ対策ソフトウェアがない以上、自力で守る必要があります。
先にも書きましたが、ソーシャルエンジニアリングやフィッシングメールなどには、神経を尖らせておく必要があります。
とはいえ、ウイルス対策の必要が少ないので、リスクに面する割合は少なめです。
Ubuntuをホントに自宅利用できるか
これまでご紹介してきた通り、ぜんぜん余裕で利用できるです。
ご紹介してきた通り、基本的な使い方ならまったく困ることはありません。
もし困ったときも、ググり力を駆使すれば問題ありません。
ただ、過度に期待してはいけないというのも事実です。
デスクトップやタブレット、スマートフォンとは適材適所と考えて利用するのが吉です。
個人的には、デスクトップに次いで入力に優れたモバイル端末という位置づけを活かすのが良いと思います。
皆様が快適な Ubuntu / Linux 生活をおくれますように。