- Windows 10のパソコンを簡単に高速化したい!
- Windows 7と同じ使い方してるけど大丈夫かな?
Windows 10を使っていて「遅い!」と感じる人の共通点は、Windowsの設定が不十分という点です。

Windowsを使い続けて30年を越えたエンジニアの いつもの匠です。
ちゃんと設定すれば、Windows10の動作速度は驚くほど変わります。ぜひ皆に知って欲しいですね。
Windows 10の処理速度を高速化するために、この記事では必要な考え方と方法を紹介します。この記事を読めば、誰でもWindows 10を高速化できるようになります。
Windows 10を設定変更だけで高速化する方法
筆者が試して、実際にWindows 10 高速化できる設定を紹介します。
ただし、設定変更はあくまでチューニング(最適化)です。もし改善できない場合は、後述するハードウェア増強を試しましょう。
Windows 10 高速化1)GPU設定の無効化
最近よく言われるのが「GPUの無効化」です。
オンボード(備え付け)のグラフィックボード/グラフィックチップのGPU性能があまり良くないため、それを活用すると遅くなると言われることがあります。
例えば、MS Outlookの場合だと、こんな感じです。

この場合、グラフィックボード/グラフィックチップのGPUを利用する設定になっているわけです。この性能が良くないと、動作の足を引っ張ってしまうわけですね。
アプリケーションによって異なりますが、MS-Office / Webブラウザ / Zoomなどには設定項目がありますから、ぜひ On/Off して動作が改善するかを確認してみてください。
ちなみに、匠のメインPCは Core i7 4770K なんですが、オンボードGPUを使う設定を無効にした方がアプリケーションの動作が速かったです。
Windows 10 高速化2)バックグラウンドプログラムの無効化
今回試した Windows 10 の高速化の設定のうちで、最も効果の高かったのがこの設定です。
Windows 10 から「アプリのバックグラウンド実行を許可する」という設定項目が追加されていますので、下記の手順を開いてください。
まず、「Windows の設定」を開きます。

「Windows の設定」画面から「プライバシー」を開きます。

「プライバシー」の設定画面の左メニューから「バックグラウンド アプリ」を選択します。

下記の「アプリのバックグラウンド実行を許可する」画面が開きます。

この画面では、バックグラウンドで実行させるアプリ、つまりは「ウインドウを開いていなくても勝手に動作させておきたいアプリ」を指定します。
初期状態では全て許可されている状態です。
つまり、多くのアプリが裏で勝手に起動している状態になっています。そりゃ重たいわ、、、ということで動作が遅くなる原因となってしまっています。
下記に該当しないアプリは、遠慮無く停止してしまいましょう。
- 通知を受け取りたいアプリ(メールやLINE、SNSなど)
- データ同期など常に動作をアプリ(OneDriveやDropBoxなど)
- ロック画面で情報を受け取りたいアプリ(天気など)
ちなみに、匠は全部停止後、おかしくなったら元に戻す設定方法をオススメします。思い切りの良さが大切です。
もちろん、必要なアプリまで停止する必要はありませんが、常駐プログラム(プロセス)は少ないほど良いという基本原則に乗っ取って、こういった無駄を適切に減らす設定、つまりはチューニングを施すことで高速化に大きな効果を発揮することができます。
ぜひお試しください。
なお、すべてのバックグラウンド実行をワンクリックで停止させる方法はこちらです。

各アプリのバックグラウンド実行を個別に停止させる方法はこちらです。

Windows 10 高速化3)自動起動するプログラムを減らす
こちらも常駐プログラム(プロセス)は少ないほど良いという基本原則に乗っ取って、自動起動して常駐するプログラムを無駄な減らします。
スタートアップするアプリを減らす
Windows 10では、「スタートアップ」として起動するアプリは下記のコマンドで設定します。
shell:common startup

こちらのコマンドでは、設定するパソコンを使うユーザー共通の「スタートアップ」として起動するアプリ(のショートカット)のフォルダが開きます。

このフォルダ内のアプリ(のショートカット)を整理して、無駄なアプリの起動を止めるべきです。
shell:startup

こちらのコマンドだと、現在ログオンしているユーザーだけの「スタートアップ」のフォルダが開きます。

このフォルダ内のアプリ(のショートカット)を整理して、無駄なアプリの起動を止めることで効果があります。
ちなみに、これらのコマンドはエクスプローラのアドレスバーからも実行できます。

もちろん、従来のWindowsと同様に「名前を指定して実行」やコマンドプロンプトからも実行できます。
この方法によって、ログオン後に操作できるようになるまでの時間が早くなりますし、その後の動作も軽くなるケースが多々あります。
余談ですが、このスタートアップフォルダには各パソコンメーカーやプリンターメーカーの広告通知アプリなどが含まれることが多く、それらを消すことはストレス面でも効果があります。
「スタートアップ」フォルダにない自動起動アプリを減らす
先程紹介した「スタートアップ」フォルダにない、自動起動するアプリが存在します。それらを停止するのも効果があります。
まず、タスクバーを右クリックして、タスクマネージャーを起動します。

タスクマネージャーから「スタートメニュー」タブを開きます。

この「スタートアップ」画面から、不要なアプリや覚えのないアプリを「無効」に設定していきます。※画像はあくまで例です。Windows Defender アクションセンターは無効化しないように。

なんらかのアプリをインストールした際に、勝手に登録されてしまったアプリが多くあることに気づくと思います。
Windows 10 高速化4)電源オプションの最適化
こちらはハードウェアリソースを最大限使い切るという基本原則に乗っ取った設定です。電源に関する設定が利用環境に即していないばかりに、リソースを使い切れないケースがあるようです。
電源オプションは下記の手順を開いてください。
まず、Windows の設定を開きます。

「Windows の設定」画面から「システム」を開きます。

「システム」の設定画面の左メニューから「電源とスリープ」を選択します。

この「電源とスリープ」の設定画面にて、「電源の追加設定」を選択します。

「プラン設定の変更」画面から「詳細な電源設定の変更」を選択します。

そうして現れる「電源オプション」ダイアログから、以降の設定を行なっていきます。

プロセッサの電源管理
まず、プロセッサことCPUを使い切る設定をします。

- 最小のプロセッサの状態:50%以上
- 給電している状態では、5%などは少なすぎます。30%~50%程度、それでも遅いなら 100% にすることを考えてみてください。
- システムの冷却ポリシー
- CPUが高温になるとファンの回転数を上げて対応する「アクティブ」をまず試します。フリーズしたり、動作に不都合が出るなら、CPUが高温になるとプロセッサの動作速度を下げて対応する「パッシブ」に変更します。
- 最大のプロセッサの状態
- 当然 100% に設定しましょう。
ワイヤレスアダプターの設定

- 省電力モード
- イマドキ無線LAN/Wi-Fiを使わないことはないはずですから「最大パフォーマンス」に設定してみましょう。それで不都合
が起こる、あるいは有線LANしか使わないときだけ「省電力優先」に設定しましょう。
Windows 10 高速化5)ウイルス対策ソフトの検査除外

いまや欠かせないウイルス対策ソフトですが、アプリがハードディスクに読み書きする時に検査する「リアルタイムスキャン(製品によって呼び方が異なります)」を行うのが通例です。
そして、こちらもディスクの読み書きは遅い原因になりやすいという基本原則に乗っ取って、改善を狙う設定が効果的を発揮します。
頻繁に読み書きするけど、ウイルス検査しても無駄なファイルやフォルダを対象外にすべきです。マイクロソフトやトレンドマイクロからも下記のように推奨されています。
多少古い内容もあるのですが、その中でも Windows 10 であれば下記のファイル・フォルダを除外するのは効果があるようでした。
Windows Update 関連ファイルのファイル
%windir%¥SoftwareDistribution¥Datastore¥Datastore.edb
%windir%¥SoftwareDistribution¥Datastore¥Logs フォルダ丸ごと、もしくは以下のファイル
- 拡張子:log ファイルすべて
- 拡張子:jrs ファイルすべて
- Edb.chk
- Tmp.edb
セキュリティ関連ファイル
%windir%¥Security¥Databaseフォルダ丸ごと、もしくは以下のファイル
- 拡張子:edbファイルすべて
- 拡張子:sdbファイルすべて
- 拡張子:logファイルすべて
- 拡張子:chkファイルすべて
このほか先に紹介したページに記載のある NTUser.pol や registry.pol などは、家庭用パソコンには無いファイルだったりします。設定できないファイルは無視して、設定できるファイルだけを設定しましょう。
なお、こちらのファイルについては不定期に書き込まれる際に速度の問題が出る可能性があるという代物なので、設定したから常に速くなることを感じられる、というものではない点はご注意ください。
Windows Defender で対象外ファイルやフォルダを指定する方法
例として、Windows Defender であれば下記の手順で設定します。
「Windows Defender セキュリティセンター」で「ウイルスと脅威の防止」を選択します。

「ウイルスと脅威の防止」を選択する画面で「ウイルスと脅威の防止」の設定を開きます。

「除外の追加または削除」を選択します。

除外の対象を選択するために「+」を選択します。

除外の対象は、ファイルやフォルダ以外にも指定できますが、今回は使用しません。

先程記載したファイルは「使用中」ということで指定できないファイルばかりだったので、フォルダ単位で設定した場合の図がこちらです。

使用しているウイルス対策ソフトによって設定が異なりますが、手順として大きく異なるものではありませんので、ぜひお試しください。
参考:Windows 10 高速化の基本原則
Windows 10の高速化(チューニング)の基本的な考え方は次の通りです。
- 同時に動くプログラムは少ないほど良い
- ハードウェアの性能を最大限使う
- ハードディスクの読み書きが遅くなる原因を減らす
これはWindows 7/8/8.1 以前と大きく違うわけではありません。しかし、実現するための設定や効果が異なるのが Windows 10 です。
Windows 10の設定変更よりハードウェア増強を考えるべき
この記事ではWindows10の設定変更(チューニング)紹介しましたが、理解すべき大事なことがあります。
チューニングとは本来持つ性能を最大に生かすことです。本来持ってる性能が低い場合には、それ以上どうにもなりません。つまり、CPU 1コア&メモリ 4GB未満のPCはWindows 10 には向きません。どんなチューニングもほぼ無駄ですから、買い換えを検討しましょう。
最近は自作PCが流行っていますから、筆者は思い切って自作してみましたしね。
ただ、丸っと買い替えるほど投資したくない…という方は、次のようにそれぞれパーツを交換してみるのも良いかもしれません。
メモリ増設は基本
メモリ4GB以上は最低限です。ノートパソコンでも増設/交換は可能ですから、満たせていないなら検討しない手はありません。今は、価格がかなり安くなっていますしね。


ちなみに、交換するなら16GBにすることをオススメします。劇的に変わりますから。
SSD換装は劇的なスピードアップ
ハードディスク(HDD)からSSDへの交換は、かなり効果が高い選択肢の1つです。
メモリが4GBを超えているなら、ハードディスク(HDD)をSSDに換装しましょう。
長い時間かけて色々チューニングしてもなかなか改善しなかった挙句、SSDに換装したらサクサク動いた経験があります。その時に交換したディスクはコレ。

ホントに最近は安くなっていて、Amazonだとタイミング次第では1万円台前半で買えたりします。ちなみに、2年激しく使い込んでいますが、故障はありません。
そのため、メインのデスクトップPCを交換した後、サブで使っているノートパソコンもこちらに交換したら、劇的に速くなりました。「返せ!チューニングに費やした数週間…」という感じでしたね。
また、もっと高速なSSDとしてはこちらも人気がありますね。

ちなみに、高速かつ小容量なSSD+HDDで爆速にする手もあります。こちらをご覧ください。
ビデオボードも見逃せない
増設ビデオボード(GPU)の追加・交換による改善も見逃せません。
初めてビデオボード(GPU)を買うなら、下記のパーツがおすすめです。

最低レベルの消費電力と高い性能を発揮してくれるコスパの良いGPUです。
実は、2枚買ってバリバリ使っています。
というのも、GPUなんかビジネスユースだと必要ないと思うじゃないですか。
いえいえ、そうじゃないんです!
ビジネスユースでもプライベートだろうが、GPUで改善できる余地があるんです
非力なパソコンの様々な処理をGPUに逃してやると快適になるんです!
ゲームしなくたって、GPUはWebブラウザやOfficeソフトでバリバリ使っているんです。
ノートパソコンだって下記を使って増設すると、劇的な安定が得られます。実際に試してみましたからマジです!!

Thunderbolt 3端子がある機種限定ですが、これを増設して外部ディスプレイに繋いで、下記の記事の逆をやるのです。
Word/Excel/PowerPoint/Outlook/Chrome/Firefox/Zoomえとせとら、とにかくGPUを活用できるアプリケーションは、すべて描画系の重いところをGPUに任せてしまうのです。
会社のノートパソコンだと増設することはできないと思いますが、外付けして少しでも改善したい!と考える方には可能な方法です。
ちなみに単なる性能改善だけでなく、GeForce系GPUだとRTX Voiceでノイズ軽減もできるのでメチャクチャ便利です。
匠はオンライン会議で常時利用していて、ノイズ知らずの無敵状態です。
Windows 10 高速化する一般的な設定方法
よく紹介されている下記のようなソフトウェアに頼るのが最初でしょう。

Glary Utilitiesは、長らく使用していますが、スタートアップの自動整理やメモリ解放は、ケースによっては効果を発揮します。設定作業に不安があってもサポートして貰えるのが大きいですよね。
ただ、高速化の効果は目に見えるほどあるか、それは微妙なところです。
Windows 10 ではイマイチな高速化の設定
これまでは、Windows 10 の高速化に効果がある設定を紹介してきました。
一方で Windows 7 以前では効果があるとされていた設定が、実は Windows 10になってから試してみると大して効果を感じられなかった設定がたくさんあります。そちらもご紹介します。
目に見える効果は無かったWindows 10 高速化の設定
- メモリダンプの無効化(デバッグ情報の書き込み)
- ReadyBoost有効化
- デフラグ
- 透明化の無効
- ハードディスク掃除(空き容量が1GBを下回る場合除く)
- 余分なソフトウェアの削除
- アニメーションの無効化
- システムファイルチェッカー(コマンドプロンプトからsfc /scannowを実行)を実行する
- フォルダーオプションの変更
これらを平然と挙げているブログサイトは、自力で試していないコピペ情報かもしれないと疑った方が良いかもしれません。
(もちろん利用場面によって絶大な効果があったりする可能性はなくはないですが。。。)
やってはいけない Windows 10 高速化の設定
高速化が見込めたとしても、やるべきではない設定というのもいくつかあります。こちらの代表的なものをご紹介したいと思います。
Windows 10 でウイルス対策ソフトを無効にする

いまどきウイルス対策ソフトの無効化は自殺行為と言えるでしょう。こんなのをオススメするなんて、無責任にも程があります。
Windows Defender ウイルス対策 や ウイルスバスタークラウドなどのウイルス対策ソフトは、先ほど紹介した「リアルタイムスキャン」機能で、パソコンを遅くしている可能性がたしかにあります。
しかし、こういったセキュリティ対策ソフトを無効にきてインターネットに飛び込むということは、「散発的に銃弾が飛び交う戦場を裸もしくは軽装で通り過ぎようとしている」に等しいです。
もちろん「俺は感染したことはないし、今後もしない」「ハッカーなんていない」と豪語できる方は、止めませんのでどうぞ。
Windows Seaech のインデックス機能を制限する

Windows Search サービスを停止する、つまりWindowsの検索機能を停止するのが良いというような設定を紹介しているサイトを未だに見かけます。
その使い方、もう古い
Windows 10 では、検索機能を前提とした仕組みになっています。そのため、検索機能を活用しなくて困らないのは Windows 10 の良さを生かせてないと言えます。
こちらのページにも、Windows 10 の検索機能を中心とした便利な使い方を掲載していますので、ご覧ください。
もちろん、スペック不足でやむなく止めざるを得ないというケースは仕方ないのですが。。。
Windows 10 で高速スタートアップを無効化する
そもそも間違っている設定を案内しているサイトがあります。
Windows 8 から導入された「高速スタートアップ」機能を無効にするのは、トラブル対応であって、高速化の意味はありません。

その名の通り、Windows の起動から使えるようになるまでを高速化する機能であって、無効にすればそれなりに遅くなります。
また、高速化する対象はスタートアップ、つまり起動から使えるまでであって、一つ一つの動作には影響がありません。
この方法を、なぜか高速化と混同して案内しているサイトをいくつか見つけましたが、完全に間違った方法ですから辞めましょう。
この記事を書くに至った経緯と顛末
今回この記事を書くに至ったのは、新しくWindows 10搭載のスペックが低めな、こちらのノートパソコンを購入しましたからです。
このノートパソコンが新品である程度のスペックがあるにもかかわらず、なぜか非常に一つ一つの動作が遅くて困りました。
従来から良いとされている方法、インターネットの様々なブログで紹介されている方法を試したのですが、どうも動作が緩慢なままで使い物になりませんでした。
そこで、今回のように「Windows 10 では従来の考え方と異なるのでは?」と思い直し、様々な方法を調べるに至ったわけです。
とはいえ、今回紹介したのはあくまでチューニングであって、通常使いでオールマイティかつ快適に使いたいとなれば、これくらいのスペックは最低限欲しいと思うわけです。安いからとHPに浮気してしまったのも反省。。。
ちょっとフンパツしてでも、こっちにすべきだったなぁ。。。

最後までお読みいただきまして、誠にありがとうございました。
なお、下記の記事もご覧ください。