- 古いパソコンのHDDから新しいSSDへ簡単にデータ移行したい
- Windows OSパーティションのデータだけ別のSSDへ移行できる?
- Windows10の古いSSDから新しいSSDへデータ移行する方法とは?
M.2 SSDやSATA SSDの価格がどんどん下がってきて、SSDをWindowsのシステムディスクに使う場面が増えてきました。しかし、古いHDDからシステムデータを新しいSSDにクローン/コピーする作業は意外に奥が深く、よく失敗しがちです。
基盤系ITシステムエンジニア17年目の熟練した筆者ですが、OSのデータ移行は未だに苦戦します。
OSのデータ移行は、できれば避けたい作業の1つだね
それでも高速なM.2 SSDが発売されたら、すぐにOSのデータ移行をして、より快適なWindows環境を堪能したいものです。
この記事ではWindows OSを別のSSDにデータ移行する際に選べる、有効な3つのデータ移行方法を紹介します。この記事を読めば、データ移行をしたい読者が適切に判断できるようになります。
システムエンジニア/コンピュータ好きの皆様にとって、少しでも余計な作業時間を減らせるお役に立てば幸いです。
(1)データ移行作業の簡単さ、(2)エラー発生時の対処しやすさ、(3)データ移行後も無駄にならない という3つの観点から「パーティション管理ソフト」を活用したデータ移行がおすすめです。
おすすめのパーティション管理ソフトはこちら
Windows OSをSSD/HDDへ移行/コピーする方法
Windows OSがインストールされたディスク/パーティションから、別のSSDやHDDへ移行/コピーする方法は、主に以下の3つです。
方法1. バックアップ&リストア
バックアップソフトを使って、バックアップとリストアでデータ移行する方法のメリットとデメリットは以下です。
メリット | デメリット |
同型ディスクなら無料で実施可能 日々のバックアップデータを流用可 部分的なデータ移行可能データ移行後もソフトウェアが無駄にならない | IT技術の知識が必要 ディスク換装または別のブートメディアが必要 異なるディスクにリストアできないことがある OS移行するならMBR/UEFIの知識が必要になる 費用がかかることもある |
※1
一般的なバックアップソフトを使用して、Windowsパーティション(Cドライブ)のデータ移行を行う方法です。同じ機種のHDD/SSDであれば、無料のWindows Backupでも実行できます。(その場合はデータ移行というより単なるリストアですが。)
バックアップソフトを使ったデータ移行の主な作業手順は、以下の2ステップです。
手順1. 以下のいずれかでデータ移行(コピー)します。
手順2. 内蔵ディスクを移行先ディスクに換装します。または起動ディスクを外付けした移行先ディスクに変更します。
移行対象ディスクの定期的なバックアップを取得している人にとっては、一番手軽に感じる方法です。しかし、次の不安があります。
- そもそも定期的にバックアップを取得していない
- バックアップデータからリストア(復元)したことがない
- 異なるディスクにリストア(復元)しても上手く起動できないことがある など
本来とは異なる使い方になりますから、異なるディスクへの移行(コピー)方法として上手くいくかはソフトウェアとハードウェアの相性、自分のIT知識 次第になります。
データ移行が目的なら、ちょっと失敗リスクが高いかな
Windows Backupなど無料のバックアップソフトでデータ移行できることもあるようです。しかし、それには利用しているハードウェアに合わせた方法を理解し、自力でトラブル対応できることが条件です。
筆者はバックアップソフト「Acronis Cyber Protect Home Office」を、ディスク故障などトラブル対応に使用しています。しかし、データ移行のために使うにはちょっと不安が大きく、あまりやりたくないというのが正直な感想です。
この方法の最大の利点は、データ移行後もバックアップソフトが無駄にならないことです。移行後も定期的なバックアップ取得のために、ソフトウェアを活用できます。
筆者はこの方法でのデータ移行をオススメしません。それでもデータ移行後もバックアップソフトとして利用したい場合、「Acronis Cyber Protect Home Office」をオススメします。
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方法2. ディスククローン装置
専用のディスククローン装置(デュプリケーター)を使用して、データ移行をするメリットとデメリットは以下です。
メリット | デメリット |
最も高速にコピー可能 作業手順が簡単 コピー中のエラーでもスキップして継続可技術知識が不要 | ディスク不良を判定できない 機器自体の物理破損が起こりうる 他の目的では利用できない/利用しにくい トラブル原因が把握できない ディスク単位でしかデータ移行できな 費用がかかる |
※ 選ぶ機種によっては機能がないこともあります。
データ移行に要する作業手順は、利用するディスククローン装置によって手順は異なります。基本的にはディスクを所定の箇所に挿して、コピー実行ボタンを押すだけです。
大まかな進捗が分かるし、エラーをスキップしてくれる機能を備えて、ボタン1つで済む装置ですから、とにかく手軽に実行できます。余計な処理が入らないので、クローン(コピー)処理は最も高速です。比較的安価という点も魅力。
以上の長所から、この方法が最適解のように見えます。しかし、次の点がネックになります。
- トラブルや物理破損が発生するとハマります。なぜなら実行経過で発生するエラーの詳細が分からないからです。ログ記録などがなく、対処のしようがなくなってしまいます。
- ディスク単位でのクローン(コピー)になるため、OSパーティションだけ移行するなど柔軟な対応ができません。
- データ移行が終わると、無用の長物になりがちです。 など
筆者も個人的にディスククローン装置を保有して、何度も実行して、何でも成功と失敗を繰り返してきました。
トラブルになるとハマって抜け出せなくなるのがとにかくツラいんだよね。博打になってしまう。
筆者みたいに何度も使う人にはオススメできる装置ですが、一回限りになりそうな人はコスパが悪くなってしまうので辞めた方が良いでしょう。「ナニも分からないからボタン一発に賭けたい」という人にも良い方法かもしれません。
もしこの方法を選ぶなら、今なら以下が一番機能が充実していて価格も手頃な以下の装置がオススメです。
方法3. パーティション管理ソフト
メリット | デメリット |
パーティションごとのコピーが可能 柔軟なコピーやエラー対応が可能 トラブル時に詳細把握が可能 異なるディスクに移行可能 移行後もディスク管理に活用できる | 費用がかかる IT知識が必要 操作が複雑になりがち |
Windowsアプリケーションの1つ、「パーティション管理ソフト」を活用する方法です。この方法であればディスク単位やパーティション単位、フォルダ 単位のデータ移行ができます。また、移行後のパーティションの状態を細かく指定できます。このように柔軟なデータ移行ができる点が最大のメリットです。
具体的な手順は、以下の図で示した2ステップです。
このパーティション管理ソフトを使用する方法であれば、トラブル発生時にもログから正しく原因を把握して対処できます。つまり、トラブル発生時の対応にいちばん強い方法です。
なんだかんだ最も柔軟に対応できるのが助かるよね
最近のパーティション管理ソフトはディスク管理機能が充実しています。パーティション変更やデータ復元、ディスク分析機能など充実したディスク管理機能によって、データ移行後もライセンスが無駄にならないのが嬉しいポイントです。
データ移行専用ソフトだと移行後に使うことがないんだよね
ただし、パーティションやMBRなどの基本的な技術知識が必要ですし、求める機能や実施台数によって費用が高くなるのは難点です。
これらの特性を踏まえて、パーティション管理ソフトでのデータ移行は以下の人におすすめです。
- 一回限りではなく何度もデータ移行を行う人
- トラブルも想定してデータ移行を確実に行いたい人
- データ移行以後も何らかソフトウェアを活用したい人 など
全世界で6千万人が選ぶパーティション管理ソフトウェア
おすすめのデータ移行の方法
筆者が薦めるデータ移行方法は以下の2パターンです。
タイトル | おすすめのデータ移行方法 | 該当製品の詳細を確認する |
パソコンに詳しくない人 | 方法2. ディスククローン装置 | 詳細を確認する |
パソコンがある程度分かる人 ググって自己解決できる人 | 方法3. パーティション管理ソフト | 詳細を確認する |
先にご紹介した通り、筆者は方法1を勧めません。なぜなら方法1は本来の使用用途ではないため、失敗リスクが高いからです。恐らくシステムディスクのデータ移行をやりたいユーザーは、それなりにパソコンの知識があるユーザーのはずですから、実質は方法3が一番オススメということになります。
これまで紹介した内容を踏まえ、皆様のデータ移行が少しでも楽で確実に実施できることを願っております。
最後までお読みいただきまして、誠にありがとうございました。