自宅では、このブログ管理にはデスクトップパソコンでの作業を基本としています。
しかし、実際にはiPadでWordPress管理が必要な場面が多々あります。例えば…
- デスクトップPC前以外での作業が必要なとき(リビングで育児をしながらなど)
- 通勤電車で作業をするとき
- 旅行中のとき
- 入院したとき(過去一度だけ経験)
そこで、長らくiPadだけで効率的にWordPressを管理する方法について試行錯誤しました。
その結果、辿り着いたWordPressの管理方法について、ご紹介します。
同じようにiPadだけでWordPressを管理したい、どなたかのお役に立てば幸いです。
想定する iPad 環境
基本的には、記事の執筆にはキーボードは不可欠ですから、キーボード接続できる iPad もしくは iPad Air、iPad Proを想定しています。
この時のキーボードは、Apple純正のMagic KeyboardやSmart Keyboardに限らず、Bluetooth接続できるキーボードでも構いません。
利用可能なキーボードについては下記をご覧いただくと良いでしょう。

ちなみに、入院していたときは iPad Pro + Smart Keyboard で下記のような環境で作業をしていました。
上の画像の通り、設置できる箇所が少なく、ベッド横の脇机(?)がベストポジションでした。ベットに腰掛けて使えます。
布団の上で仰向け、うつ伏せ、正座、色々試しましたが、長時間はキツイですね。
これが一ヶ月続いたときの執筆作業は、なかなか過酷でしたね。
ここまでではないにせよ、電車内などでは限られたスペースでの記事書きになりますから、iPad + Smart Keyboard / Magic Keyboard は重宝しますね。
今ならiPad Pro 11インチ+Magic Keyboardが最強です。
この組み合わせはだいぶ負担が少なくなりましたので、長時間の作業でも耐えられます。
作業機会の多いブロガーには絶対オススメしたい組み合わせですね。


iPad+WordPress管理のメリット・デメリット
実際にやってみないとわからないiPadによるWordPress管理は、次のように善し悪しがあります。
メリット
モバイル性が高い
最大の魅力はどこでも作業できることです。
もちろんスマートフォンの方がよりモバイル性は高いのですが、操作性が著しく犠牲になります。
WordPressの管理画面やGutenbergが充実してきて、スマートフォンでもある程度の作業はできるようになりましたが、ボタンの小ささなどの違和感はあります。
しかし、画面サイズが大きいiPadならパソコンとほぼ変わらない操作性となります。
ボタンの押し間違えなどもほとんんどなく、十分な作業環境として利用できます。
アプリが充実している
後述しますが、iPad向けのブログ関連のアプリはかなり充実しています。
特に素材作りなんかは、むしろiPadの方が良いのでは?と思うアプリもいくつかあります。
タッチペンとの組み合わせで使えるアプリは、iPadならではと言えますね。
キータイプが静か
ソフトウェアキーボードなら、静かな病室でも全く気になりません。
Smart Keyboardだと、トトトトトという静かめなキータイプ音ですから、だいぶマシです。

完全に0とはいかないのですが、パソコンのキーボードよりはかなり静かです。
ただし、Magic Keyboard にしてしまうと音は、それなりに出てしまいますので注意。
Split View / Slide Overが便利
iOS/iPadOS はマルチタスクがあんまり…と言われますが、Split View と Slide Over を使いこなせば大丈夫です。結構いろいろ複雑なアプリ間のやり取りは、慣れれば効率が相当良くなりますね。
もしまだ上手く使えてない人は、絶対にマスターして欲しい操作法ですね。
どんな体勢でも操作できる
疲れたら寝っ転がって操作できますから、長時間同じ体制で作業する必要はありません。
また、iPadには、エントリ投稿・更新には十分なアプリが揃っています。
ストレスを感じるところ
応答の悪さ
Gutenbergとの相性は良くはありません。
しかも、Safariはプラグインで補完できませんし、他のブラウザでもほぼ同じです。
特に、電波の安定しにくいテザリング環境ではワンアクション遅いと感じます。
アプリ間の切替も若干もたつきますし、カーソル位置がおかしくなることもしばしば。
そのため、いかに管理操作を自動化するかがポイントですね。
「ショートカット」アプリやIFTTTなんかは必携ですよね。
日本語入力がイマイチ
こちらは Safari もしくは iOS/iPadOS の問題なんです。
英語と日本語の切り替わらないときが多々あり、2020年時点でもなかなか改善されません。
「かな」キーで日本語に切り替わらなかったり、「英数」キーで英語に切り替わらなかったりします。しかも必ず毎回というわけではなく、ランダムなタイミングで。
さらに言えば、iOS13以降で実装されたライブ変換も使いにくいし、変換精度の悪さもイマイチです。
ATOKもiPadOS版はイマイチ…
頻繁に長文を打つ人には、絶対にストレスになります。
そういう人は諦めて、Windows/Macを選択しましょう。
アプリの切替の煩わしさ
Split View / Slide Over がどれだけ優れていても3~4個以上のアプリを併用して記事編集をしたい場合は、どうしてもアプリの切替に煩わしさを感じるのです。
コマンドキー+Tabでも切り替えられますが、なんかもっさりしたり、キーボードがうまく動かなかったり、画面タッチがめんどくさかったり…
そんなわけで、沢山のアプリを使いこなして記事を書きたい人にも、iPadはちょっと厳しい環境と言わざるを得ません。
iPad + WordPress で記事を書くコツは?
執筆作業の効率化
WordPressでブログやメディアを運営する上で、もっとも時間を掛けるであろう記事の執筆作業について、iPadを使う場合に効果的な方法を紹介します。
ショートカットキーを使いこなせ
WordPressでは、文字入力以外にも様々な操作が必要になります。
記事書きだけでも、ブロックを追加したり、ブロックを複製したり、下書保存したり。
これが毎週毎日のことになると、さすがに煩わしさを感じずにはいられません。
画面タッチでも、タッチパッドでも、マウスでも簡単です。作業はできます。
ただ、効率や速さを求めるなら ショートカットキーを覚えましょう。
劇的に記事の執筆/編集速度が上がりますので、下記をぜひ活用してくださいね。

下書きはMarkdownで書く
テキストだけである程度の記事を書く記法として、Markdown というものがあります。
本文は Markdown で下書きをして、Gurtenberg エディタに貼り付ければ、すぐに記事として使えます。
先に紹介したとおり、Gurtenberg エディタとSafariはあまり相性がよくありませんから、ある程度テキストエディタで記事の本文を書いて推敲しておくと効率が良いです。
記事を貼り付けた後も画像の追加やSEO対策などの作業はありますが、それでも一番時間をかけたい執筆作業に集中できるのは記事の品質向上に繋がります。
Markdown記法はカンタンなので、是非このタイミングで覚えてしまいましょう。
Wikipediaに載ってる内容くらいを覚えるだけで、絶対に執筆時間の短縮に繫げることができます。
Markdownエディタとしては bear なんかが有名ですが、記法を覚えてしまえば標準のメモ帳でも大丈夫です。匠は iVim でやってますけどね、オススメはしません。
なお、この段階では Markdownの誤りを見つけるぐらいで、プレビューはほぼ活躍しません。エディタで記号をタップするくらいなら、サッサと記法を覚えてしまいましょう。
見え方もWordPress上でテーマを適用してみないと分からないので、記法さえ覚えてしまえば専用エディタは不要です。
ブログ素材の製作
画像レタッチ
iPad上で作業を完結させる場合は、こちらを使用しています。有料ですが、多機能なのとオフライン作業可なので使用頻度はそこそこ高めです。

ただ、背景を削除したい場合は下記のアプリを使用しています。ボタン一発で背景をきれいに削除してくれるので重宝しています。

予め用意した画像でレタッチからサムネイル作成まで一気通貫で行いたい場合は、以前ご紹介した下記を使用しています。レタッチ機能が充実しているのと、テンプレートが充実してるのが嬉しいところ。

どれが最高!ということもなくて、その場面場面によって使い分けています。
いずれも操作が簡単なので、使い分けることが難しくないのも使い分けしやすい要因です。
サムネイル作成
ゼロから記事のサムネイル画像を製作する場合は、必ずこちらを使います。
次のような手順でサクッと作れるので、めちゃくちゃ重宝しています。早ければ5分程度。
- テンプレートを選択する
- 予め用意された写真素材を選んでハメこむ
- テキストを変更する
- レイアウトを微調整する
- 画像のエクスポート
先に紹介した Fotor はエディタ機能が優れていますが、Canva はテンプレートが豊富と画像など素材が充実しています。使い始めてからは、他の画像素材サイトを利用する機会が劇的に減りました。
そのため、やはりこれらも場面によって使い分けていますが、今となっては当サイトのサムネイル画像の7割以上は Canva で製作しているくらいです。
写真撮影
iPhone / iPad で撮影する場合は、標準のカメラアプリで手軽に撮影することが多いです。
しかし、色味や映り方を調整したい場合には下記のカメラアプリを使うことも多いですね。

どれくらい違うかというと、例えば手元のドリンクを撮影してみるとこんな感じです。


好みの問題はありますが、より現実の色味に近い撮影ができたりしますね。
ProCamera の方は少し露出やISOなど調整してます。
後で加工すれば結構どうにでもなったりしますが、この辺はケースバイケースですね。
ただ、やはり画質を考えると一眼レフカメラが欲しい…ということで、下記のカメラ購入を虎視眈々と狙っています。

画像圧縮
通常は iPad側では行わず、WordPressのプラグイン任せで充分です。
EWWW Image Optimizerを紹介されることが多いと思います。しかし、画像の量が増えてくると価格や圧縮率の面ではイマイチだなと感じました。
そこで当サイトでは、下記のプラグインを使用しています。

けっこう圧縮率が高いのと、設定の柔軟性が高いです。
当サイトではまだ導入していませんが、将来的には主力になるwebp形式への圧縮にも対応しています。
年間$49.9で毎月1GBまで圧縮できます。ただ、当サイトは足りなくなったら1GBを追加購入する方式で充分に運用できています。
ちなみに、下記のオンラインサービスで圧縮できるよーという記事をよく見ます。

しかし、圧縮し漏れたり、ワークフローが煩雑になったりして、すぐに煩わしさを感じ始めますから、手作業はイマイチ。
少しコストをかけてでも、効率が良い圧縮方法を取り入れておくことをオススメします。
動画編集
iPadでの動画編集は、こちらのソフトウェア一択です。

有料ですが、PCの動画編集に比べれば安いもんです。
動画編集はこのソフトでほぼ事足りますし、下記の動画を見れば操作は楽勝です。
YouTuberやVloggerにもユーザーが多いので、使い方の動画や記事が豊富なのも魅力ですね。
動画配信
これは失敗しがちな話ですが、iPadで編集した動画を直接WordPressでアップロードして、公開するのは辞めた方が良いです。
なぜなら転送量がバカにならないから!
以前は、当サイトでも動画データをWordPressサーバで公開していました。その方が Gutenberg で簡単にできるからです。
その動画は1MB程度の小さいデータ量でした。
しかし、動画サイズ×アクセス数=必要な転送量 ですから、その記事は人気だったこともあって、月間で数TBの転送量になってしまいました。
AWSなどのクラウドサービスなら大量課金ものです。VPS運営の皆様、ご迷惑をおかけして申し訳ありませんでした…
というわけで、動画を公開するなら YouTubeかVimeoが無難です。
いずれもURLをGutenbergエディタでコピペするだけで、記事に埋め込んでくれるので非常に便利ですよ。
細かい作業の効率化
iPadでWordPress管理を行うと、色々と気になる点が出てきます。
素材ファイルの名前設定
iOS/iPadOSで写真アプリに画像を保存すると、勝手に長いランダムな名前が付与される問題があります。
そのため、写真アプリの画像を直接Safari経由でアップロードすると、SEO対策としてはよろしくありません。
そのため、下記の方法を推奨します。
方法1. ファイル アプリの活用
iOS/iPadOS標準の「ファイル」アプリを使って、一度画像をどこか別の場所に保存してください。
匠の場合は、次のアプリ内にBlog用領域を作成して保存しています。

このDocumentsに一度名前を付与したつつ、保存します

保存した後は Safariからアップロードする際に「ブラウズ」を選んで、Documents内のファイルを選択すれば、任意のファイル名でアップロードすることができます。

ひと手間かかる反面、ファイル名変更したファイルが残るのでリトライしやすいのも良いですよ。
方法2. WordPressプラグイン「Media File Renamer」
基本的には方法1で事足ります。
しかし、間違えてアップロードしたり、名前変更が漏れてしまっていたファイルを変更したい場合など、WordPress上で名前変更したい運用もありますよね。
その場合は下記のプラグインが良いです。
概ね有償が良いのですが、$24/年が高いと思うかどうかは人それぞれでしょう。
ファイルへのナンバリングなどが便利なので、匠はPro版を購入して活用しています。
方法3. ショートカット アプリ
iOS標準の「ショートカット」アプリを使って、写真アプリから直接WordPressへアップロードするショートカットを作ることも可能です。
ただ、上記2つの手順で事足りるようになってしまったので、最近はあまり活用する機会が無いのが正直なところです。
ギャラリーに公開されてる「画像のメタデータだけ削除する」や、「画像のプロパティ情報を確認」なんかを自作すると便利ですね。ほかのアプリやWebサービスとの組み合わせると、もっと便利になることはあるかもしれません。
ちなみに、ITTTFと組み合わせても色々できて面白いです。
分析や運営は?
WordPressサイト管理
サイト管理操作については、ほとんどiPadで困ることはありません。
唯一困るとすれば、先に述べた記事執筆と追加CSSを使いたいときです。
WordPress標準で提供されるCSSエディタフォームとの相性がどうも悪くて、動きが鈍かったり、カーソルがおかしくなったりします。
しかし、ブログの安定運用フェーズに入れば、さほど問題になることはないでしょう。
アクセス解析
当サイトでは、次のアクセス解析ツールを私用しています。
これらは最近 iPad の Safari でもかなり違和感無く操作できるようなインターフェースになってきました。そのため、特に違和感無くしようすることができます。
ただ、プラグインなどまだiPadに画面対応していないものも僅かにあるので、少し注意が必要です。
まとめ
今回紹介した iPad+WordPress でのブログ運営を始めて、もう5年が経過しました。
長期入院であっても、旅行であっても、iPadでWordPressを運用可能です。
ただ、iPad Pro+キーボード+WordPressが望ましいですね。
作業の姿勢の選択肢が増える分、気楽に短文で運営しているサイトなんかはむしろ快適なはずです。
ただ、CSSカスタマイズや細かいチューニングなどの細かい作業を考えると、キータイプが静かなノートPC+高速モバイルルータの方がより作業しやすいかもしれません。